巨人育成3位指名・吉村 優聖歩(明徳義塾高) 同郷・村上 宗隆を斬る左腕切り札へ!
巨人育成3位・吉村優聖歩投手と担当の岸敬祐スカウト(左)<球団提供写真>
10月20日に東京都内のホテルで開催された「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」において、巨人育成3位指名を受けた明徳義塾(高知)の最速140キロ左腕・吉村 優聖歩投手が11月15日に巨人との仮契約に合意。高知市内のホテルで支度金290万円、年俸360万円(いずれも推定)で仮契約を結んだ後、榑松 伸介スカウト部次長、岸 敬祐・担当スカウトとのリモート記者会見に臨んだ。
リモート会見では「ジャイアンツは左のサイドスロー投手がいるので、皆さんをお手本にして、いいところを学んでいきたい。高校時代にお手本としていた(明徳義塾の1年先輩である)代木(大和)さんもいるので、早く追い付き、支配下選手に上がれるようにしたい」と殊勝な言葉の間に、2年連続夏の甲子園でも魅せた飄々とした投球スタイルのごとく、緊張の中にあっても言葉の駆け引きを演じた。
ただ、故郷・熊本県(吉村は熊本中央ボーイズ出身)から今季生まれた三冠王・ヤクルトの村上 宗隆内野手(九州学院出身)との対戦可能性について問われると、「同郷であることは意識しています。インコースを攻めて的を絞らせないようにしたい」と、目を輝かせて意気込みを述べた。
「(WBSC U-18W杯開催地の)アメリカでも淡々と投げられていたし、自己最速を出すばかりでなく、アベレージの球速も上がっていた。NPBの堅いマウンドにも合うと思う。侍ジャパンU-18代表で一緒だった浅野(翔吾・高松商)、森本(哲星・市立船橋)との3人で刺激し合って5年後には3人ともジャイアンツの1軍で活躍してほしい」と大きな期待を寄せた岸スカウトや、侍ジャパンU-18代表にも導いてくれた明徳義塾・馬淵史郎監督をはじめとする第二の故郷・高知県の期待に応えるつもりだ。
エジプト人の父を持つ身体能力と世代屈指のマウンド経験を兼ね備える変則左腕は 「プロでは自分でどれだけできるかが大事」とアドバイスを贈った名将の言葉を胸に刻み、東京ドームで「左腕切り札」としての躍動を期す。
(取材=寺下 友徳)