楽天は4年目左腕と20歳外野手にブレークの予感
武藤 敦貴(都城東-楽天)
開幕から2ヶ月以上が過ぎセ・パ交流戦も終幕に近づいてきた。ここまでシーズンも多くの”新顔”が1軍で結果を残しブレークしようとしている。昨シーズンまでの実績はないものの、今シーズンここまで結果を残しブレークしつつある選手を各球団ごとに振り返ってみたい。
現在首位に立っている楽天は左投手が躍進している。鈴木 翔天投手(向上出身)と弓削 隼人投手(佐野日大出身)のふたりだ。4年目の鈴木は昨シーズンまで7試合の登板にとどまっていたが、今シーズンは5月18日に1軍昇格を果たすとここまで10試合に登板。失点したのはわずか1試合だけでプロ初ホールドを含む2ホールドをマークし、防御率1.04と安定した成績を残している。このまま調子を維持することができれば、守護神の松井 裕樹投手(桐光学園出身)に繋ぐ7回や8回を任され、勝ちパターン入りすることもありえそうだ。
そしてもうひとり、弓削は昨シーズンまで主に先発として起用されるも3年間で7勝止まり。2020年に10試合で50回3分の1を投げたのが最多で、くすぶっていた。しかし今シーズンは左の中継ぎとして12試合に登板し、ここまで無失点投球を続けている。
セ・パ交流戦開幕直前の5月22日に登録を抹消されているが、石井 一久監督によると、これは故障ではなくリフレッシュとさらなる精度アップに取り組むためのものとのこと。さらなるレベルアップができれば、交流戦再開後の中継ぎ陣に厚みをもたらすことになる。
野手では高卒3年目の武藤敦貴外野手(都城東出身)が打撃面で開花しつつある。昨シーズンも44試合に出場していたが、打率.105(19打数2安打)と打撃面では苦しみ、主に守備・走塁面での役割だった。
しかし今シーズンは、ここまで昇降格を繰り返しながら18試合の出場で打率.316(38打数12安打)と結果を出している。まだまだ打席数は少ないが、スタメン起用も10試合あり石井監督の期待は大きい。まだ20歳と若く、次代の外野のレギュラーとして楽しみな存在だ。
発投手陣や主力野手陣には実績のある選手がずらりと並んでいる。そこにブレークした若手が加われば、一気に勢いが増す。2013年以来の日本一を勝ち取るためにも、若い選手たちの躍進は欠かせない。
<楽天の主なブレーク選手>
鈴木翔天(投手/富士大→2018年8位)
弓削隼人(投手/SUBARU→2018年4位)
武藤敦貴(外野手/都城東→2019年4位)
※数字は2022年6月14日終了時点
(記事=勝田 聡)