14年夏のベスト4右腕が引退。トライアウトがラスト登板に
高校時代の飯塚 悟史(日本文理-横浜DeNA)
今年、戦力外となった飯塚悟史(日本文理出身)が現役引退となった。飯塚はネット裏から多くの投球や打撃を見てきただけに寂しさを感じる。2年秋(2013年)、明治神宮大会はどちらが凄かったといえば、間違いなく打撃だ。沖縄尚学との決勝戦では2本塁打。特に2本目の満塁本塁打は、衝撃だった。低めの変化球を拾う形で、打ち返した打球はバックスクリーン一直線。ネット裏から見ていたが、本塁打になった時の観衆の興奮ぶりは凄かった。
そして、センバツ、夏の選手権では投手としてかなり洗練されていた。ベスト4入りできたのは、高校生離れしたコントロールの良さだった。その後、高校日本代表に選ばれ、開催地のタイでその投球を見たが、やはり制球力は素晴らしかった。
長崎国体でも投球を披露したが、投手として、だいぶ貫禄が出たことを覚えている。プロでは23試合で通算2勝に終わったが、一軍の舞台で291人の打者を打ち取ったことは、大きな功績だ。
飯塚にとって、ラスト登板は12月8日のトライアウトに。1安打を打たれたが、最速144キロの直球は威力があった。
引退後は球団職員として関わるが、実直な人柄はこれからも愛されることになるだろう。第二の人生でも活躍を期待したい。
(文・河嶋宗一)