山本VSヤクルト打線、山田&村上への変化球がキーポイント
オリックス・山本由伸
いよいよ20日、日本シリーズが開幕する。昨年、最下位だったヤクルトとオリックスによる頂上決戦がスタートする。7戦4勝制とはいえ、初戦は何よりも大事になる。19日の監督会議で今年は4年ぶりに予告先発なしが決まった。しかし、その後、オリックスの中嶋監督は「うちは(予告先発を)やりますよ。山本。万全でいってくれたら」と公言するなど、早くも監督同士の「つばぜり合い」がスタートしているようだ。
先発はオリックスが「予告先発」の山本由伸投手(都城高出身)、ヤクルトは奥川恭伸投手(星稜出身)が予想される。隠すことなく「発表」されたパ・リーグ「5冠」の山本が、シリーズ初登板でどんな投球をするのか。
今季、交流戦で1度だけ対戦があった。5月28日交流戦でのヤクルト戦(京セラドーム大阪)。山本は先発7回を投げ、打者28人で5安打9奪三振3四球2失点2自責で勝ち投手。チームも9対2で快勝と、エースの踏ん張りが白星に直結した。
許した5安打は、3回サンタナ、山崎の連打と、4回に村上の四球から、オスナ、青木、サンタナに許した3連打だった。ヤクルト打線の生命線である3番山田、4番村上には安打を許さなかった。
山田
第一打席:1回二死走者なし 4球目 左飛
第二打席:4回一死走者なし 4球目 空振り三振
第三打席:5回二死一塁 7球目 三邪飛
村上
第一打席:2回先頭打者 5球目 空振り三振
第二打席:3回二死走者なし 6球目 四球
第三打席:6回先頭打者 5球目 二ゴロ
2人に共通しているのは、山本が大きく縦に落ちるカーブをうまく配球していた点だ。
山田の第一打席。1、2球と150キロを超える直球を見せ、4球目の130キロのカーブで打ち取った。第二打席も3球続けて150キロ超の直球のあと、4球目の外のカーブで空振りの三振。第三打席はフォークを3球続けた後に直球を続け、最後は内角のシュート詰まらせた。カーブは投げなかった。
村上には第一打席は150キロ超の直球、カットボール、スプリットを4球投げた後に、130キロに満たないワンバウンドのカーブで空振り三振に仕留めた。3、4球目は村上はバットを出したが、ファウルに終わっている。その後のカーブだけに効いたのだろう。第二打席は四球を与えてしまったが、初球の直球の後の2球目にカーブを投げて空振りを奪っている。第三打席も150キロを超える直球、シュートを3球続け4球目に内角低めへカーブを投げた。ワンバウンドだったこともあり村上は手を出さなかったが、次の外よりのフォークをひっかけさせて二ゴロに打ち取った。
ロッテ相手に好投したクライマックスシリーズ・ファイナルステージでも、上から落ちてくるようなカーブに、見逃すしかなかった三振が随所に見られた。その「宝刀」を今回も駆使にする違いない。ヤクルト打線の中心である山田と村上がどう対応するのか。交流戦で対戦しているだけに、山本もカーブを一切見せないかもしれない。
1回表、山本VS山田の対戦が日本シリーズの行方を占うかもしれない。