Interview

東海大相模戦猛打賞でプチブレイク。スラッガー・エドポロ・ケイン(日本航空)に備わる2面性

2021.07.22

 春から急浮上してきた選手が多いチームほど推進力が強い。そんなチームが山梨の日本航空である。今年の春は東海大相模相手に5対3で勝利した。そんな日本航空の投打を担うキーマンを紹介。続いてはエドポロ・ケインだ。189センチの長身からバネの強さを生かしたプレースタイルで本塁打を量産。東海大相模戦で3安打3打点の活躍を見せ、勝利に貢献した。夏の山梨大会でも活躍を見せている。

 そんなエドポロの歩みについて迫っていきたい。

関西弁のハーフ、LINEの長文で監督を驚かせた

東海大相模戦猛打賞でプチブレイク。スラッガー・エドポロ・ケイン(日本航空)に備わる2面性 | 高校野球ドットコム
エドポロ・ケイン(日本航空)

  同僚のエース格であるヴァルデナ・フェルガスが冷静沈着な性格をした選手ならば、エドポロは陽気なキャラクターをした選手といえるだろう。ナイジェリア人の父と韓国人の母のハーフで、喋りはバリバリの関西弁。誰に対してもフレンドリーに接する姿に触れると親近感を感じてしまう。

 そんなエドポロは、大阪府大阪市出身。幼稚園の時から野球を始め、長男はジェイプロジェクトでプレーするエドポロ・ジョセフ選手、そして次男は日体大柏までプレーしたエドポロ・キングさんがいた。体も大きく、長打力にも自信があったエドポロは中学時代、南大阪ベースボールクラブでプレー。関東一楠原 悠太など有力選手とともにプレーし、実力をつけたエドポロは一番最初に声をかけてもらった日本航空に進学することを決意する。

 また、尊敬する兄とは違う高校で勝負したい思いは常に持っていたという。自慢の長打力を1年から勝負し、ベンチ入りしたいと考えていたが、その構想はもろくも崩さってしまう。

「中学校のときと全然違くて、こんな中で最初やっていけるかなと思いました。自信あったのは長打力なんですけど、先輩たちは自分より全然飛ばすので、自信はなくなりました」

 それでも長打力アップの追求を怠らなかった。普段は陽気なキャラクターのエドポロだが、豊泉監督を驚かせたのがチームLINEのある一文だ。

「昨年の自粛期間は選手とはLINEでやり取りをさせていただいたのですが、エドポロが打撃について課題、こうしたいという内容がかなりの長文で送られてきたんですよね。見所があるなと実感しました」

 普段のエドポロのキャラクターを知っているだけに、その話を聞いて、驚いた。

[page_break:]

詰まってもOKで打撃開眼、プロ入り目指しバットで甲子園導く

東海大相模戦猛打賞でプチブレイク。スラッガー・エドポロ・ケイン(日本航空)に備わる2面性 | 高校野球ドットコム
エドポロ・ケイン(日本航空)

 そうした探究心の高さもあり、エドポロの素質が開花するのは2年秋である。ある練習試合で詰まりながらホームランを打った。

 「詰まることを恐れなくていいんだと思って、思い切り振ることを意識したら、一気にホームランが増えました」

 それまでは6本塁打だったが、関東大会まで17本塁打まで伸びた。そして臨んだ東海大相模戦では3安打3打点の活躍。凄まじい打球を次々と外野へ飛ばした。
東海大相模の投手は速い投手ばかりでしたが、普段の練習から速いボールに対しての練習はできていたので、それができてよかったです」

 関東大会終了技、エドポロはなぜ打てないのかを考えて打席に臨むようになった。さらに本塁打のペースを積み重ね、半月で7本塁打増えて、24本塁打に到達。順調にステップアップしているかに見えたが、学校内にクラスターが起こり、活動自粛。24本塁打で大会に臨んだ。

 目標はプロ入り。実戦練習以外は木製バットを使って技術を磨く日々だ。

 甲子園まであと1勝。チームにとっては新たな歴史を創る、エドポロにとっては野球人生がかかった決勝戦である。果たしてエドポロは甲子園に導く一打を打てるか。

(記事=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.12

学法石川の好捕手・大栄利哉が交流戦で復帰! 実力は攻守ともに世代トップクラス!身長200センチ右腕を攻略し、完封勝利!

2024.05.12

【春季新潟県大会】プロ注目右腕・茨木佑太が完封!元プロの芝草監督は素材、メンタル面も絶賛!

2024.05.12

プロ注目の200cm右腕・菊地ハルン(千葉学芸)がセンバツ出場校との交流戦でまさかの7失点…夏までの課題は?

2024.05.12

【春季京都大会】センバツベンチ外の西村がサヨナラ打!新戦力の台頭目立つ京都外大西が4強進出

2024.05.12

【奈良】天理が決勝最多18得点で圧勝!13年ぶりに春の頂点に<春季大会>

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在28地区が決定、長野では松商学園がノーシードに

2024.05.07

【鹿児島】神村学園は昨秋4強の鶴丸と初戦で対戦<NHK旗組み合わせ>

2024.05.07

【山陰】益田東と米子松蔭、鳥取城北が石見智翠館と対戦<春季大会組み合わせ>

2024.05.07

【北海道】函館大有斗、武修館などが初戦を突破<春季全道大会支部予選>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>