<春季高校野球神奈川県大会:東海大相模8-7藤嶺藤沢>◇19日◇4回戦◇バッティングパレス相石スタジアムひらつか

 東海大相模は150キロ右腕・福田 拓翔投手(3年)はコンディションの影響で、まだ長いイニングを投げられる状態ではない。原俊介監督によると福田の状態は快方に向かっており、春に登板できる準備は進めているが、今大会はどれだけ福田に頼らずに勝てるかにこだわっている。

 この試合は秋から先発として投げる機会が多かった島村 宏斗投手(3年)は覚醒を印象付ける投球だった。7回裏、7対7と大荒れの試合展開の中、3番手として登板した島村はぐいぐいとストレートで押す。ストレートの球速は常時135キロ前後で最速は137キロ。真っ向から振り下ろす速球で次々と空振りを奪っていく。

 島村の球速は突出したものではないが、130キロ台の速球を軽々と打ち返していた藤嶺藤沢打線が空振りを繰り返すことはそれだけ球質が優れているということだ。藤嶺藤沢の菊地監督も「もちろん島村投手の準備はしていましたが、こちらの想定以上の伸びでした」と振り返る。

 島村は「この冬は空振りを奪うストレートを追求していて、今までの中ではかなり良い感覚でリリースができました」と手応えを感じていた。結果として4回9奪三振と勝利を呼び込む好リリーフだった。

 原俊介監督は「今日は厳しい場面でした。タイブレークの場面はベテラン投手でも厳しい。島村はこの冬、かなり頑張っていた投手で成長が感じられます。最終回の雰囲気は打たれる雰囲気を感じなかったというか、相手打者が思わず空振りをしてしまうような気迫が感じました」と称賛した。

 福田以外でも修羅場を潜り抜けられる投手が出てきたことはこの試合の大きな収穫となった。