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神奈川の横綱・東海大相模と横浜の課題は?第103回神奈川大会を徹底展望【前編】

2021.06.07

 第103回神奈川大会の組み合わせ抽選会が決まった。センバツ制覇の東海大相模が注目される今年の神奈川は、やはりシード校を中心に強力なチームが多い。そんな今大会の見所を紹介したい。

横浜はやはり金井と3年生の成長が必要不可欠

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金井 慎之介(横浜)

 まず第1シードの横浜足柄と新城・麻生総合・市川崎・幸の連合チームの勝者と対戦。

 やはり名門。投打ともに戦力が充実。右の本格派・山田 烈士、左の技巧派・佐竹 綱義とゲームメイクできる投手がいる。甲子園出場の鍵は金井 慎之介の復活と覚醒が不可欠。春の投球を見る限り、しっかりとハマった時のボールは世代を代表するものがある。その精度を高めていくことが課題になるだろう。打線は高い身体能力を武器に攻守で高いパフォーマンスを見せる大型外野手・安達 大和、高い打撃技術と投手を務める強肩を武器にする三塁手・宮田 知弥、右の好打者・玉城陽希など打者のタレントも豊富。

 抜群のフィールディング技術を披露した緒方 漣などスーパー中学生が多かった1年生の台頭も可能性がありそう。ただ、甲子園出場には、現3年生の成長が東海大相模を破る最重要課題になりそうだ。

 同ブロックには試合巧者で昨秋のベスト4の鎌倉学園、公立の実力校・大師が揃う。

 シード入りを果たした横須賀学院厚木北大和東の勝者と対戦。

 海老根 大雅を中心に強力打線が自慢の向上は、鶴見大附座間の勝者と対戦。投手陣を整備し、甲子園出場を狙う。同ブロックには、U-15代表経験の好右腕・田上 遼平擁する慶應藤沢も面白い。昨夏ベスト4の三浦学苑綾瀬西サレジオ学院の勝者と対戦する。

 その原動力となった4番エースの上村 海斗を軸としたチーム。春季大会で東海大相模と戦った経験を活かし、さらに投打でレベルアップができるか注目だ。

[page_break:春夏連覇を狙う東海大相模は課題を克服できるか?]

春夏連覇を狙う東海大相模は課題を克服できるか?

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石田 隼都(東海相模)

 センバツ優勝の東海大相模。春夏連覇が唯一狙えるチームだからこそ、あえてハードルを上げて、東海大相模を紹介したい。大エース・石田 隼都はほぼ登板せずに終わり、多くの投手が登板した。関東大会を終えた時点だと序盤まではしのげるが、全国制覇を意識すると、やはり石田を頼らざるを得ない力量だ。石田以外では伸びのある快速球を投げ込む石川 永稀、左腕から角度のある直球を投げる武井 京太郎は計算が立つ。ただそれ以外の投手陣は悪くはないが、対応力が高い打線相手には苦しさを感じた。夏にかけて驚くような直球、変化球で打ち取る事ができる投手が1人でも現れることを期待したい。

 打線は、巧打の遊撃手・小島大河、今年の東海大相模では最も対応力が高い門馬功、全国トップレベルの遊撃手・大塚瑠晏、強肩強打の三塁手・柴田 疾を中心とした打線は機動力、長打力も兼ね備えた強力打線だ。ただ、逸材揃いの東海大相模でも、ライトとセンターは不動の存在と呼べる選手がいないようだ。

 つまりライトとセンターにしっかりと固定できる選手がいれば、ほぼ完璧な打線になる。

 同ブロックでは藤嶺藤沢、第3シードの横浜隼人が絡むだろう。横浜隼人は2年生ながら攻守ともに高い技量を誇る好捕手・前嶋 藍に注目。投手陣では安定した投球を見せる椎名 康成辻永 虎王の2人の好投手を擁し、ディフェンス力の高いチームだ。

 シードの相洋は昨秋から大きく伸びた本格派右腕・谷 祥太、好遊撃手・二宮 巧磨を中心にまとまりのある好チーム。勢いに乗った時の攻撃力は脅威だ。昨秋から花咲徳栄など強豪校との練習試合で経験を積みながら着々、実力をつけてきた。

 同ブロックでは、城山相模原の公立の実力校同士の対決もあり、さらには法政二vs藤沢翔陵の私立の実力校も初戦で実現。序盤からつぶしあいが多いブロックだ。打線が活発な湘南学院秦野麻生と対戦する。

 次回はトーナメントの右側ブロックの展望を紹介したい。

(文=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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