<健大高崎1-0浦和学院> 3日◇練習試合◇ 健大高崎グラウンド

 トミージョン手術から復帰した健大高崎佐藤 龍月投手(3年)が浦和学院戦の6回表に登板し、自己最速の147キロを計測した。

 12球団のスカウトが集結したこの日。まず158キロ右腕・石垣 元気投手(3年)の登板が終わると、スカウトたちの興味は佐藤に移っていた。佐藤がブルペンで準備すると、ネット裏にいたスカウトたちはブルペンで投げている佐藤に注目していた。

 インステップを緩和させ、縦振りの投球フォームから投げる佐藤のストレートは健大高崎グラウンドのスピードガンでは140キロ中盤・自己最速タイの146キロをマーク。編集部のスピードガンでは平均球速139.3キロ、空振り三振を奪った高めのストレートで最速147キロを計測した。捕手陣からも「だいぶ縦回転になってきています」と表するように以前よりも角度のあるストレートに変貌している。

 佐藤は「それほど力を入れてないです。リリースの瞬間にしっかりと力を入れることを意識しています。しっかりと体を大きくしたことも大きいと思います」とフィジカル強化と適切に力を集約させるリリースによって140キロ中盤の速球を記録している。

 手術前の佐藤は横に曲がるスライダーが特徴的だったが、今では130キロ台のカットボールを習得した。ストレートと見違えるような軌道から手元で急激に曲がる。

「新基準バットなので、手元で曲げて打たせて取る投球を追求しています。ストレートに近い軌道で曲げたいと思い、習得しました」

 いわゆるピッチトンネルを実現しており、スライダー主体だった下級生と比べて直球で押せるようになっている。高卒プロを目指す佐藤にとって平均球速向上、引き出しが増えたことに手応えを感じている。夏ではショートリリーフが中心だが、この日のように140キロ中盤の速球、カットボールで相手を圧倒する投球を見せれば、スカウトたちの評価も高まるだろう。