夏の甲子園出場をかけた地方大会の組み合わせが決まった。全国3,680校3,396チームが出場する。抽選の結果、強豪校同士が早い段階で対戦する「死のブロック」が各地で現れた。
高校野球ファンから「シードの意味がない」という声も聞かれる突破困難な注目ブロックを紹介していきたい。
まずは茨城大会。23年夏甲子園ベスト4の土浦日大が「死のブロック」に入った。土浦日大は、春季茨城大会準々決勝で春優勝の常総学院に3対7で敗れているが、県内屈指の好投手・小澤 頼人投手(3年)から9安打、3得点を記録している打力の高さが魅力のチームだ。
同校の初戦は鉾田二と水戸商の勝者。勝ち上がりが有力な水戸商は夏の甲子園出場10回の古豪。初戦から厳しい戦いが予想される。
勝ち抜けば、3回戦で昨春関東大会出場の鹿島学園、4回戦で昨夏甲子園出場・霞ケ浦、準々決勝で昨秋関東大会ベスト8のつくば秀英と当たる可能性がある。次々と茨城の強豪との対戦が予想され、勝ち上がったとしても、一戦一戦がハードな戦いになるだろう。
次は埼玉県。春の県大会優勝・浦和学院は初戦で本庄第一と対戦する。本庄第一は春の県大会で昌平に完封勝利を挙げたエースの米田 爽真投手(3年)を擁する。米田は130キロ前半の速球、曲がりが鋭いスライダーを武器にする右サイド。打線も活発なチームだ。
ここを突破すると、4回戦ではセンバツベスト4の浦和実と対戦する可能性がある。浦和実はやはり甲子園で大活躍したエースの石戸 颯汰投手(3年)の出来がカギになる。浦和学院ナインは米田、石戸の両投手攻略のために準備を進めているという。2年ぶりの甲子園を狙う浦和学院にとってこの2試合が前半戦の山場だろう。
千葉では春季大会ベスト4の市船橋が苦しい組み合わせとなった。初戦は光英VERITASと船橋北の勝者と対戦。勝ち上がれば3回戦で昨夏ベスト4の主軸が残る市原中央と野田中央の勝者と顔を合わせることになる。4回戦では千葉明徳など、私学の強豪校と当たる可能性がある。
今年の市船橋はプロ注目スラッガー・花嶋 大和捕手(3年)に加え、140キロを超える投手が4人も揃える大型チーム。市船橋と練習試合を行った県外の強豪校の監督からも「戦力が揃っている」という高評価だ。この組み合わせを乗り越える層の厚さを見せることができるか。
昨夏甲子園出場の日本航空(山梨)はまたしても不運な組み合わせとなってしまった。昨秋、今春ともに初戦で山梨学院とぶつかり、いずれも初戦敗退。ノーシードで臨む今大会はいきなり優勝候補に挙がる東海大甲府との初戦が決まった。今年の日本航空は147キロ右腕・柳澤 拓輝投手(3年)を中心に好投手が揃い、関東の強豪校との練習試合でも好投をみせている。対戦した強豪校の監督からも、投手陣の能力の高さは評価されている。
京都でもかなり熾烈な組み合わせがあった。春優勝の京都共栄が同志社国際と対戦。同志社国際は大型遊撃手・フォーク黒田レイモンド豪内野手(3年)を擁するチームだ。4回戦では昨夏全国優勝の京都国際と対決する可能性がある。京都国際は春季二次予選で龍谷大平安に敗れてしまったとはいえ、優勝候補として推す声も多い。また、春4強の城南菱創はいきなり昨秋近畿大会出場の立命館宇治と対戦することが決まった。地元記者からも「京都はシード、ノーシードの実力差がほとんどない」と声が聞かれるほどだ。
新潟は春季県大会優勝の第1シード・中越は初戦で連合チームと対戦するが、勝利すると、日本文理と開志学園の勝者と戦うことになる。
春季広島県大会で広陵を破り、初優勝を収めた英数学館もかなり険しい組み合わせとなった。初戦では並木学院と市呉の勝者とぶつかるが、3回戦ではセンバツベスト8の広島商と対戦する可能性がある。その後も強豪と当たる組み合わせが続く。春はプロ注目の147キロ右腕・藤本 勇太投手(3年)が県大会5試合で5完投している。しかし酷暑の夏では藤本一人に頼るわけにはいかないだろう。新戦力の浮上が夏勝つための課題になる。
ほかにも好カード、実力校同士のつぶしあいというゲームが多くある。
厳しいブロックに入った強豪校たちは勝ち抜くことができるだろうか。
この記事へのコメント
読込中…
読込中…
まだメッセージがありません。
>> 続きを表示