沖縄を皮切りに、2025年も高校野球の季節がやってきた。8月5日に開幕予定の夏の甲子園を目指して、全国各地の球児たちがここまでの野球人生のすべてをぶつける。この夏の主役になろうとしている選手たちの「今」を各チームの指揮官に迫った。
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春夏通算43回の甲子園出場。OBであれば川上憲伸さん、現役プロ野球選手では杉本裕太郎選手などを輩出する徳島商。この春は徳島の頂点に立ち、四国大会でもベスト4進出。2年ぶりの夏の甲子園へ期待がかかる。
優勝候補の一角、そして伝統校の現在を知るべく、OBであり、指揮官である森影浩章監督に話を伺った。
指導者も読めないメンバー争い
Q.春季大会でのチームの成果について教えてください。
秋季大会は初戦で負けてしまいましたので、今回の春季大会で優勝するとは思っていませんでした。ただ野球に対する考え方が甘かったことを理解してくれたのは大きかったかもしれません。
普段から野球選手の前に、高校生であることは伝えていました。それを理解して普段から生活するようになったから人として成長して、技術も成長してくれたと思います。
具体的に振り返ると、打撃技術は伸びたと思います。春季大会前のオープン戦ではほとんど負けました。全く点数が取れずに「どうしようもない」と危機感がありました。ですので、個人によって構え方やタイミングなどを指導してみたら、大会では打ちすぎるくらい打ってくれました。
Q.夏へ向けて、チームが取り組んでいることは?
監督生活の中でも初めてですが、全員で守って、全員で攻撃する。「こいつに頼むぞ」というような中心選手が誰になるかわからないくらい高いレベルで競い合っています。これは今年の3年生は仲がいいからこそ、互いに意見を言い合える関係性で、勝負できているからだと思います。
ですので、いろんな選手にチャンスを与えて、試行錯誤をしているところです。もしかすると、夏の大会のメンバーは春から変わるかもしれません。ただやることは大きく変えず、野手陣は春にやっていたことを継続する。投手陣は打たれても良いので、ストライクゾーンで勝負してほしいと考えています。
Q.夏の大会でのキープレーヤーを教えてください。
投手であれば福島虎之介です。もっとも安定感がある今年のエースですが、変な力みが出ないようにしてほしいと思っています。元々は打たせて取るサイドスローの投手で、根気強く集中して投げ続けられるのが武器です。ただ調子が悪い時や、打たれたときに力みから崩れてしまわないようにしてほしいと思っています。
打者ならば主将の岡本歩樹です。4番打者ですし、春季大会はチャンスの場面で打ってくれて、勝利に貢献しました。ですので、夏も同様に活躍してほしいと期待しています。
Q.最後に夏の大会に向けての思いを教えてください。
選手たちには「甲子園は良いぞ」と話をしています。それくらいグラウンドに立つことは大きいことだと思います。夏の大会は第3シードで迎えることが出来ましたが、現状プレッシャーはありません。ただ選手たちは自分たちの現在地を冷静に判断し続けて、この夏は甲子園が見える舞台まで上がって来てくれた。選手たちの成長と甲子園出場のチャンスが生まれていることは実感しています。ですので、徳島県の代表になれるように頑張りたいと思います。
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