<2025年全国高校野球選手権愛知大会:桜丘8-4福江>◇28日◇1回戦◇豊橋市民球場

 東三河地区同士の対決となったこの試合、大会序盤でもあり必然的に豊橋市民球場で組まれた。

 桜丘は、令和最初の大会となった第101回大会では準優勝を果たした実績もある。ただ、それ以降は、東三河地区でも豊川豊橋中央の後塵を排しているという感じになっている。春は、一次リーグでは豊丘に敗れて順位決定トーナメントに回った。そのトーナメントの初戦の相手が福江だった。その試合では、桜丘が3対1で勝利している。県大会進出を果たしたがでは、初戦で名古屋たちばなに0対3と完封負けしている。専用球場も完成して4年目となり、環境も充実してきている。そろそろ再び、東三河の暴れん坊としての存在を示したいところである。

 福江は渥美半島の中腹にあり、愛知県最南端の学校でもある。地域柄、過疎との戦いで、現在は全校生徒で128人。生徒確保も困難ということもある。それでもここまで何とか部員を確保しながら、毎年、強豪に食い下がれるチームも作り上げきていることは評価されよう。ただ、12人の3年生が抜けると、秋からは2年生と1年生が各4人ずつ。新チームは連合チームで戦わざるを得ないということになっている。

 この春は一次リーグでは蒲郡豊川工科を下して順位決定トーナメントに進出した。その初戦で敗れた桜丘との再戦が夏の初戦となった。負けられないという思いも強いはずである。

 初回、福江は二死から死球と安打で一三塁としてディレードダブルスチームと機動力を生かして先制する。やられた桜丘の杉澤哲監督は、「ああいうプレーを防ぐことは練習してきたけれども、やられてしまった。これはまた、練習をしていかないといけない」と引き締めた。

 リードされた桜丘は3回に河合 智哉選手(2年)と土井 太聖選手(2年)の1、2番の連打と3番浜口 悠帆選手(3年)の適時右前打に失策、野選が絡んでこの回3点で逆転。そして、先発の右スリークォーターの宮原 啓斗投手(3年)が6イニングを4安打2失点に抑えた。さらに、スピードのある福井 晴太投手(3年)と澤田 我暉投手(2年)と繋いで何とか反撃をしのぎ切った。

 ただ、杉澤監督は「夏の初戦の呪縛でしょうかね。特に3年生が硬くてね、なかなか自分たちのプレーができなかった。この時期は丁度試験期間でもあるんですよ。だから、この週の試合の9時はひかないようにしてほしいと思っていたのですがね(苦笑)」と、勝った者の試合内容には不満の様子だった。

 また、桜丘は4番で要の捕手・井戸 偲音選手(3年)が直前に体調不良となり、この日は欠場となってしまった。そのあたりも、前半にややもたついた内容にもなっていたのかもしれなかった。それでも、そんな中で13番をつけた竹下 友真捕手(3年)が打線でも5番に入り、5回には4点目となる中前タイムリー打を放つなどして頑張ったのは、称えられよう