大応援団の力を背に甲子園へ
△チームを牽引する加藤主将
拓大紅陵のグラウンドに訪れたのは6月上旬だった。強風が吹き荒れ、前日の雨の影響でグラウンドコンディションが優れない中、選手たちは21年ぶりの甲子園に向け汗を流していた。
16時に学校が終わると、姉妹校でもある志学館の校舎を抜け、坂の上にあるグラウンドへとダッシュで向かう。普段の練習はおおよそ16時半から19時までとタイトなスケジュールだ。投手陣の中心である堀込投手も、「アップが終わってからゆっくり走っていたりしたら、キャプテンから指摘されることもあります。チームで練習の間の行動はダッシュしようと心がけています」と短い時間で効率よく練習に励んでいる。
監督して迎える2度目の夏、指揮官は小枝監督から学んだ計画の大切さを実践している。
「勝つための近道は『近道しようとしないこと』です。『急がば回れ』ではないですけど、焦って勝とうとせず、何をしたらいいのかを考えています。特に気をつけているのはコンディションです。6月の時期はノックで追い込む指導方法もありますが、自覚を持ってやって練習する子はやります。そこに対して最後の夏で悔いを残したくないので、追い込む時は追い込みますが、練習計画だけはしっかりと立てていきたいと思っています」
チームの活躍に欠かせないのがスタンドをえんじ色に染める応援。ブラスバンドは全てオリジナル曲で5回に流れる「勝利のテーマ」は、県内の高校野球ファンであれば聞き馴染みのある楽曲だろう。大応援団を背に戦う加藤主将も「拓大紅陵の応援は力になりますし、背中が押されています。吹奏楽部顧問の吹田(正人)先生からも『キャプテンとして頑張ってくれ』と言われています」と笑顔。坂巻監督も「吹奏楽部やチアは『なんとしても甲子園に連れて行ってください』と生徒も本気になってくれます。その期待に応えなければいけないですね」と闘志をむき出しにしている。
今月12日に組み合わせ抽選会が行われ、初戦は千葉経大付と船橋法典の勝者と対戦することが決まった。特に千葉経大付は2004年から2008年にかけて5度甲子園出場を果たしている実力校。勝ち上がれば早々に激突することとなる。
今年こそ「あと一つ」を覆すことができるのか。戦国千葉の代表校を狙う拓大紅陵ナインから目が離せない。
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