熱量ならばどのチームにも負けない
青木監督が語った「こうでないとダメだ」というもの。長年貫いてきたものこそ、神戸国際大付だけの良さだった。
「うちには寮生活を送る選手がいますけど、毎日健康でいられるわけではありません。体調を崩してしまったり、心が折れそうになったり。3年間ずっと良い思いを出来るわけではありません。
でも目標は甲子園で勝つことですし、神戸国際大付の野球部としてしっかりとした指導を通じて選手たちを社会に送り出すので、口うるさいことでも細かいことを指導します。その辺の熱量は、この学校ならではの熱さだと思います。
それは選手だけではなくて、学校に対しても『もっとこんなに出来ませんか』とか、スタッフ陣にも『もっとこうしようや』と、こうしたらいいではなく、こうしてください。もっとこうならないかなと、そういう熱い思いで接しています」
すると、青木監督は続けてこんなエピソードを語る。
「テレビで見ましたが、大の里さんは周りをキレイにしないとダメということで、整理整頓・掃除を大切にしていらっしゃるみたいなんです。運気にすがるわけではないと思いますが、トップアスリートの人たちが当たり前のようにやっていることなので、うちもうるさく指導するくらい大事にしています。
なので、先日バスにゴミが落ちていたのでスタッフには指導しましたが、勝ちたいと思っている選手は、絶対にそういうことをしません。なので、そういう選手はレギュラーであるか関係なく、見逃さないようにしています」
格闘技が好きな青木監督の一面が見えた一方で、神戸国際大付が貫く熱量がわかった。ただ、その熱の源となるものはどこから来ているのか。
「硬式野球、もっと言えば高校野球ができる期間は短いです。今やっている選手たちはダッシュ10本、特守1時間を受けているときは長いと感じていると思います。でも終わってみたら凄く短いですし、2年半もあっという間です。
それに誰もがマウンドに立てるわけではない。バッターボックスに立てるわけではない。ベンチには20人しか入れない。そんななかで、みんな『甲子園で勝とう。日本一になろう』という目標に向かって毎日必死に取り組んでいる。
あとは全国各地で甲子園を目指している学校がたくさんある中で、『国際で野球をやろう。青木のところに行って、俺の力で強くしよう』と思って選んできてくれる。それだけでもありがとうですよ、絶対に。だからこそチームのルールを守らなければ厳しく指導をします。これくらいでいいだろう、と妥協してしまうのはダメだと思っています」
ゆえに「1回言って伝わらなければ、2回言って」と選手たちが理解するまで生活面も含めて何度も指導する。そして「学校の中を含めていろんなところで何かあったときは、壁になったらなと思っています」という姿勢で選手たちと向き合っている。
いまこの瞬間も後輩たちの指導にあたる青木監督。「何も変わっていない」と自負する就任当初からメラメラと燃やしつつ、どこか温かみのある情熱的で鮮やかな青の炎を心に宿し、この夏も激戦区・兵庫から甲子園を目指す。
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