試合レポート

【春季東京都大会】完封負けの関東一、米澤監督「今のままだと、夏は勝てない」

2024.04.14


坂井 遼(関東一 )

<春季東京都高校野球大会 修徳1-0関東一>◇7日◇3回戦◇駒澤

【トーナメント表】春季都大会 結果一覧

センバツ出場の関東一修徳に敗れ4回戦敗退。シードが決まっているとはいえ、収穫と課題が見えた試合だった。

まず良かったのは投手陣。
先発・ 坂井 遼投手(3年)は最速142キロの速球、スライダー、チェンジアップ、カーブを巧みに投げ分け、3回無失点4奪三振の好投。ボールが高めに浮いたり、単調な配球になることがあったが、ストレートに強弱をつけて、追い込んだ時ほど強いストレートを投げることができていた。米澤 貴光監督も「苦しい投球が続いていましたが、今日はかなり良かったと思います」とエースの好投を評価した。
2番手には大後 武尊投手(3年)がマウンドに登り、3回無失点。直球、変化球を丁寧に投げ分ける投球が光った。7回表、畠中 鉄心投手(3年)が登板し、1点を奪われたが、
米澤監督は「坂井、左腕の畠中に次ぐ投手を育てるのが今大会のテーマでしたので、大後が夏へ向けて目処が立ったのが収穫です。投手陣はそれぞれ粘り強く投げてくれたと思います」と投手陣の働きを評価した。

しかし打線は最後まで飯山 大夢投手(3年)から1点を奪うことはできなかった。修徳の5安打を上回る7安打を記録したものの、あと1本が出ない。5回のバント併殺。7回に無死一、二塁からバント初球見逃しからの二塁走者飛び出しでチャンスを潰すなど、試合の流れを重くするミスばかりだった。米澤貴光監督は試合後、
「相手の投手は確かに良かったです。コントロール、テンポも非常に良かった。しかし、結局は自分たちのプレーができていない。敗因は自分たちにあります」

関東一らしい機動力を絡めた積極的な攻撃、粘り強い試合運びができなかった。その要因を米澤監督が語る。
「失敗することを怖がってしまっていますよね。大事な場面で自分のプレーができない。これは“追われる立場”になると起こることなんです。それでも積極的にプレーするには選手たちが乗り越えるしかありません。今のままだと夏は勝てません。今の自分達の実力をしっかりと受け止めて、夏には挑戦者という立場で勝利を目指します」

チームは何でもかんでもうまくいく時と、守りに入って悪循環に入ることがある。関東一は悪い流れのまま春を終えた。

投打ともにレベルが高く、緻密な守備の関東一。夏は優勝候補に入るだろう。土壇場でも力を発揮できるチームへ成長できるか注目だ。

【トーナメント表】春季都大会 結果一覧

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この記事の執筆者: 河嶋 宗一

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