News

U-18高校日本代表はなぜ「東都」を目指すのか! ここ2年で11人が日本一の戦国リーグへ進学! 今年は実力派6人が加入予定

2024.02.06


新妻恭介、緒方漣、高中一樹、東恩納蒼、知花慎之助、橋本航河

U-18ワールドカップで初の世界一を達成した高校日本代表。彼ら20人の進路がほぼ出そろった。
今年の特徴は、2022年に引き続き、東都大学野球連盟の1部、2部に進学する選手が多いことだ。2019年の代表では0人、2018年の代表では3人だった。ちなみにロッテ・佐々木 朗希投手(大船渡)、オリックス・宮城 大弥投手(興南)らがいた2019年のU-18代表は高卒プロ志向が強く、13人もプロ入りした。一方で2022年の高卒プロは6人。2023年は5人となっている。

まず22年の高校日本代表で東都リーグに進んだのは
國學院大 赤堀 颯内野手(聖光学院
青山学院大 渡部 海捕手(智辯和歌山
中央大 伊藤 櫂人内野手(大阪桐蔭
中央大 安田 淳平内野手(聖光学院
専修大 宮原 明弥投手(海星

最も活躍しているのは渡部だろう。早くも青山学院大の正捕手となり、大学選手権優勝を経験。大学日本代表候補にも選ばれ、昨年12月の強化合宿に参加し、順調に経験を積んでいる。このまま攻守でレベルアップすれば、最終学年では大学日本代表の正捕手になる可能性は十分にある。

赤堀も高校時代、セカンド、ショートをこなしていたが、大学ではファーストとしても出場している。1年秋にはスタメン出場の機会も増えて、23打数6安打、打率.261を記録した。
伊藤は中央大でレギュラーを獲得。1年春は10試合で、27打数7安打、1年秋は45打数8安打だったが、この1年の経験をどう生かすか。安田は秋春合わせて13試合に出場し、20打数2安打と苦しんだが、2年生からはさらに結果を残せるか。

140キロ後半の速球、切れのある変化球を投げ込む右腕として評価が高かった宮原は1年春では6試合登板。秋は1試合登板に終わったが、将来のエース候補として期待が高い。
ベンチ入りの競争が激しい東都1部でも奮闘しているといえるだろう。

そしてこの春からこの6人が東都に入学する。

國學院大 緒方 漣内野手(横浜
東洋大 高中 一樹内野手(聖光学院
中央大 東恩納 蒼投手(沖縄尚学
中央大 新妻 恭介捕手(浜松開誠館
中央大 橋本 航河外野手(仙台育英
駒澤大 知花 慎之助外野手(沖縄尚学

緒方は世界大会でMVPに輝いた好打者。守備力も一級品で、ミートセンスも長けており、1年からベンチ入りに期待がかかる。高中は2年春、2年夏、3年夏と3度の甲子園に出場。ダイナミックな動きを見せる守備とバットコントロールもよく、勝負強い打撃は大きな武器となる。

東恩納は世界大会でもベストナインに輝いた147キロ右腕。投球の基礎もできており、大学1年から活躍が期待される。新妻は昨夏甲子園でも本塁打を放った強肩強打の捕手。打撃型捕手として台頭が期待される。

橋本は甲子園通算歴代4位となる23安打を記録した好打者。高校日本代表では木製バットに苦しんだところはあったが、しっかりと慣れていけば、甲子園で見せてくれたバットコントロールと快足を披露しそうだ。
中央大はこの2年で一気にU-18経験者5人が入ることになる。彼らが活躍すれば、チーム成績も上がり、進路先として人気になるのではないか。

知花は昨年、二季連続で甲子園に出場。甲子園では守備範囲の広い守備、バットコントロールの良い打撃を見せてきた。代表でも安定した守備を見せ、チームを支えた。

最後になぜ東都への進学が増えているのか。この2年間は、東都リーグのニーズにあった選手が多かったといえる。
高校日本代表の監督は高校野球でも戦術、駆け引きの上手さで甲子園54勝を挙げた馬淵 史郎監督(明徳義塾)だった。馬淵監督が選ぶ選手は、実戦力が高く、投手ではコントロール、変化球の精度が優れ、野手では守備力が高く、走塁も上手く、打撃もコンタクト力も高い。
東都1部、2部は緻密な駆け引きで行われ、入れ替え戦もあり、どのリーグよりも実戦力が問われる。そういう意味で、この2年の代表選手は東都リーグの学校のニーズに合った選手たちだったといえる。昨年の世界一で、選出される選手のタイプは継続されることが考えられる。

彼らの活躍によって今後、高校日本代表→東都進学の流れは加速しそうだ。

文/河嶋宗一(編集部主筆)

<関連記事はこちら>
東都1部の新入生
高校日本代表進路

 

この記事の執筆者: 河嶋 宗一

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.26

【春季四国大会逸材紹介・高知編】2人の高校日本代表候補に注目!明徳義塾の山畑は名将・馬淵監督が認めたパンチ力が魅力!高知のエース右腕・平は地元愛媛で プロ入りへアピールなるか!

2024.04.26

【奈良】智辯学園が13点コールド!奈良北は接戦制して3回戦進出!<春季大会>

2024.04.26

今週末に慶應vs.横浜など好カード目白押し!春季神奈川大会準々決勝 「絶対見逃せない注目選手たち」!

2024.04.26

【春季奈良県大会】期待の1年生も登板!智辯学園が5回コールド勝ち!

2024.04.26

古豪・仙台商が41年ぶりの聖地目指す! 「仙台育英撃破」を見て入部した”黄金世代”が最上級生に【野球部訪問】

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.23

【春季埼玉県大会】地区大会屈指の好カードは川口市立が浦和実を8回逆転で下し県大会へ!

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!