西武の191センチ巨大左腕・羽田慎之介が急成長! 球速は高校から8キロ増の157キロに!
昨季5位に終わった西武だが、近年のドラフト戦略がうまくいき、左腕が揃ってきた。
2021年ドラフト1位の隅田 知一郎投手(波佐見-第一工業大)が先発ローテーション投手として活躍、同年2位の佐藤 隼輔投手(仙台一-筑波大)は中継ぎとして昨年47試合登板で、18ホールド、防御率2.50の活躍。昨秋のドラフトでは1位の武内 夏暉投手(八幡南-國學院大)、3位の杉山 遥希投手(横浜)と有望な左腕を獲得した。
彼らに加え、今季飛躍を期待したいのは、3年目を迎える羽田 慎之介投手(八王子)。上記4人にはないサイズを持った大型左腕だ。191センチ96キロ。4人と比較しても明らかに違うのがわかる。
羽田 慎之介 191センチ96キロ
隅田 知一郎 177センチ81キロ
佐藤 隼輔 182センチ83キロ
武内 夏暉 186センチ90キロ
杉山 遥希 181センチ82キロ
羽田が注目されたのは、八王子高校2年秋(2020年)の都大会だ。都立富士森戦で先発した羽田は8回を投げ、10奪三振、3失点の好投を見せた。当時の最速は143キロ。140キロは度々計測しており、高校2年左腕でこれほどのスピードボールを投げ込む投手はなか
なかいない。さらにスライダー、カット、フォーク、チェンジアップ、カーブと多彩な変化球を操っており、器用な一面を見せ、21年のドラフト候補に入る逸材だと感じた。
一冬を超えて、最速149キロまでスピードアップ。21年5月、千葉学芸との練習試合では多数のスカウトが詰めかけた。羽田が試合前のブルペンに入れば、映像撮影をはじめ、試合になれば、スピードガンを構えた。
この試合で羽田は最速145キロ、平均球速141.29キロと力強いストレートで、4回無失点。スライダー、カットボールを交え、日本ハム2位指名を受けた有薗 直輝内野手を無安打に抑えた。当時の取材で、羽田は「あまり調子が良くなかったです」と振り返っていたが、有薗は「今まで対戦した投手の中では速球の勢い、変化球のキレもトップクラスのものがありました。角度もみたことがないものでした」と絶賛していた。2年秋よりも140キロ超えのストレートが多くなっており、成長の跡が見えた。
ただ、左肘を痛めた影響で、夏は未登板で終わった。それでも羽田の素質の高さを評価した西武が4位指名。プロ1年目はじっくりと体作りに励み、二軍戦で5試合。2年目の昨年は8試合に登板して、29.1回を投げ、28奪三振。防御率2.15と投球回数
に近い奪三振を記録した。自慢の直球は高校時代と比べても遥かに速くなっており、常時150キロ前半で、最速157キロをマーク。リリースする位置が低い190センチ超えの大型左腕ということで、「和製ランディ・ジョンソン」と呼ばれていたが、その呼び名に相応しいストレートを投げることができる。
このオフでの体の巨大化を見ても、今季にかける意気込みが伝わってくる。西武は昨年リーグ2位の防御率2.93を記録し、完投数10はリーグトップ。隅田、髙橋 光成投手(前橋育英)、今井 達也投手(作新学院)、平良 海馬投手(八重山商工)など先発陣は充実している。そこに割って入ることができれば、西武の投手陣のスケールはかなり大きくなるだろう。
今シーズン初の一軍からの大ブレイクを期待したい。