【高校野球ベストシーン’23・山口編】奇跡を呼び起こした宇部鴻城の代打と背番号13、夏甲子園につながった準々決勝のサヨナラ勝ち
2024年が幕を開けた。昨年、高校球界でもさまざまな印象的な出来事があった。都道府県ごとにベストシーンを思い出してみよう。
【全国選手権山口大会準々決勝・宇部鴻城vs.岩国】
高校球児の成長と勢いのすごさを感じた。昨年夏の山口大会準々決勝、宇部鴻城が岩国を9回土壇場で逆転サヨナラ勝ちを収めた。これまで1点差に泣いていたナインが、最後の夏で大きく成長した試合だった。
3対2と1点リードで迎えた7回に2点を奪われ逆転を許した。しかしナインは最後まで下を向かなかった。9回裏、先頭打者が四球で出塁。初めて代打で起用された背番号1の浅田 真樹投手(3年)がミラクル劇の起点となった。リリーフとしてマウンドに上がることはあっても、代打として打席に入ったことがなかった背番号1が、ベンチを盛り上げた。
浅田はさらに二塁への盗塁に成功する。一打同点のチャンスとなり打席に入ったのは、背番号13の小林 直也内野手(3年)。外角球を振り抜くと、左前への適時打となり土壇場で追いついた。その後、吉村 凌河投手(3年)の適時打で歓喜のサヨナラ劇。背番号1と13の3年生の粘りが奇跡を生んだ。
宇部鴻城は22年秋季大会で準優勝、23年春季大会でも準優勝だった。ともに高川学園に1点差で敗れていた。あと1点に泣いていたチームが、最後の夏は粘り強く逆転できるチームに成長した。
準々決勝のサヨナラ劇で勢いに乗った宇部鴻城は、準決勝での高川学園戦で2対1と1点差の勝利。秋と春のリベンジをしっかりと果たして見せた。背番号1の浅田が先発して1失点完投勝利。今度はマウンドでチームを勝利に導いた。
宇部鴻城ナインは決勝で南陽工を7対0で下して、4年ぶりの夏甲子園出場を決めた。「あと1点」に泣いていた姿は、もうどこかに消えていた。
<全国高校野球選手権山口大会:宇部鴻城5-4岩国>◇2023年7月21日◇準々決勝◇山口マツダ西京きずなスタジアム
岩国スタメン
(中)佐伯 琉月(3年)※亜細亜大進学予定
(二)繁澤 栄斗(2年)
(右)栁川 湘吾(2年)
(捕)安平 拳心(1年)
(一)林 恭成(2年)
(三)中村 快(2年)
(左)岩崎 遥(1年)
(投)加藤 善康(1年)
(遊)蔵田 龍星(1年)
宇部鴻城スタメン
(遊)大川 快龍(3年)※拓殖大進学予定
(二)原口 一護(2年)
(右)笹木 天翔(3年)
(左)岡本 翔(3年)
(一)小林 直也(3年)
(捕)岡本 壮矢(3年)
(投)吉村 凌河(3年)
(三)礒川 健介(3年)
(中)髙本 歩夢(3年)