医学部との文武両道、MLBへ挑む逸材などを選出 大学準硬式を盛り上げたベストナインを発表
2023年は連盟創立75周年の節目となった大学準硬式野球。初となる甲子園を使った全国大会が開催されるなど、節目の1年は歴史に深く刻まれるものとなった。
今回は多くの試合を取材した高校野球ドットコムの大学準硬式評論家・田中裕毅が選んだベストナイン(指名打者あり)を紹介。実力はもちろんだが、学生主体で活動するなど、大学準硬式の特徴も考慮して選出した。
投手 群馬大・竹内 奎人(静岡高出身)
U-15、静岡高時代に甲子園で登板した最速147キロ右腕の経歴だけではなく、大学準硬式が大事にする文武両道を体現した点を評価。医学部生として6年間の大学準硬式を見事やり切った。卒業後はハヤテ223へ入団する。NPBへの道を切り開いてくれることを楽しみにしたい。
捕手 中央大・山崎 大翔(花巻東出身)
二塁送球タイムは2秒を切るなど、肩の強さが光る強肩捕手。高校は花巻東、大学準硬式では強豪・中央大と、名門チームの扇の要を担い続けた。特にこの1年は主将に就任し、8月の全日本大学準硬式野球大会(以下、全日大会)のベスト4に導いた。
一塁手 日本福祉大・佐藤 龍人(東邦出身)
185センチ88キロの恵まれた体格が、ひと際目を惹く大型プレーヤー。9月の全国大会・清瀬杯全日本大学選抜準硬式野球大会(以下、清瀬杯)ではチームのベスト4進出に投打で貢献。ピッチャーとしては最速135キロを計測し、打者としては中軸に座る強打者。さらなる活躍に期待が膨らむ逸材だった。
二塁手 青森大・櫻井 頌大(青森北出身)
甲子園大会で2年生ながら東日本選抜の1番打者に抜擢。後ろへ大きく引いたトップからシャープなスイングで2安打をマーク。1番打者としての役割を十分果たして勝利に貢献した。
三塁手 岡山大・西 椋生(向陽出身)
中国地区の全日本学生委員として、甲子園大会をはじめとした大会運営に携わる。その傍らで、11月に岡山県で開催された9ブロック対抗(以下、9ブロック)に中国地区のメンバーとして出場。選手との二刀流で、大学準硬式にとって歴史的な1年間をやりきった点を評価して選出した。
遊撃手 甲南大・森田 勇太(市立尼崎出身)
西日本選抜の主将としてチームを牽引。自身は3年生のときに清瀬杯で優勝。4年生になった今年は主将として全日大会に出場。リラックスした構えから、鋭いスイングで快音を響かせた。
外野手 日本大・中島 健輔(日大鶴ヶ丘出身)
思い切った強烈なスイングが印象的な好打者。2年連続で甲子園大会の東日本選抜の主将に抜擢されると、3打点をマークして勝利に貢献した。自身のチームでも3年生の時は全日大会で優勝、今年は準優勝。9ブロックにも関東選抜の一員として出場するなど、全国の舞台に出続けた大学準硬式界の中心選手の1人だった。
外野手 大阪経済大・成清 圭(市立尼崎出身)
強打の2番打者として、決勝・日本大戦では適時打をマークするなど3安打の活躍。ヘッドを走らせたバッティングでチームの全国制覇に貢献した。
外野手 獨協大・小林 拓斗(二松学舎大附出身)
チームは東都3部に所属しているが、自身はMLBへ挑戦するべく、木製バットを使ってプレー。トップから素直にバットを振り出すスイングで快音連発。7月に関東地区が開催した関東準硬オールスター2023で、チームの準優勝に貢献した。
指名打者 大阪経済大・渡辺 力(布施出身)
関西地区の全日本学生委員として甲子園大会を運営。さらに今年の全日大会が関西地区での開催になったことを受けて、学生委員として学生たちをまとめた。
と同時に、選手としても大会に出場。決勝戦・日本大戦でも代打でヒットを放ち、チームの日本一に貢献。裏方として大会を支えながら、選手としても優勝するという結果を残した。
文=田中 裕毅(大学準硬式評論家)