春の王者・青山学院大、楽天ドラ6中島の「技」で日本文理大に堂々勝利!<明治神宮大会・大学の部>
<第54回明治神宮野球大会:青山学院大8-4日本文理大>◇18日◇大学の部・準々決勝◇神宮
6月の全日本大学選手権を制して日本一となった青山学院大(東都)。この秋も、大激戦となった東都大学野球リーグを勝ち点3ながら7勝5敗で、2位の日本大を勝率で上回って優勝を果たしての出場となった。明治神宮大会の出場は18年ぶり7回目となる。
対する日本文理大(九州三連盟)は春の全日本選手権大会も出場しているが、明治神宮大会は7年ぶり2回目の出場だ。九州地区大学連盟の代表で九州三連盟代表決定戦では、鹿屋体育大、福岡大、九州共立大を下しての出場だった。さらに、今大会でも、1回戦では関西六大学連盟の名門・大阪商業大(関西五連盟第2)に競り勝って準々決勝進出を果たしている。
試合は、青山学院大が初回、先頭の中島 大輔外野手(4年=龍谷大平安)がいきなり中越え二塁打。安藤 寧則監督も、「あれで、いい感じで試合に入ることができた」と評価していたが、続く佐々木 泰内野手(3年=県立岐阜商)が粘って中前打を放って先制。佐々木は高校時代の鍛治舎巧監督から伝授された、追い込まれてからはノーステップスイングで粘ってファウルして、自分の狙い球を捉えての中前打と、技ありの1本と言っていいであろう。
2回にも青山学院大は2死一、二塁から1番・中島が三遊間を破って2点目。
日本文理大も3回に先頭の7番・粟国 陸斗内野手(2年=具志川商)が左中間二塁打を放って、バントと犠飛で1点差とした。こうして追いすがっていくのだが、さすがに青山学院大は勝負強い。すぐに4回、2人目の新垣 瑠依投手(4年=具志川商)を捉えて、2番・佐々木が再び適時打を放って2点差とする。
そして、青山学院大は7回には、4番・西川 史礁外野手(3年=龍谷大平安)の2ランが飛び出し、さらに2点を追加。
8回にも青山学院大は失策と3四球でチャンスを貰い、押し出しと6番・渡部 海捕手(1年=智辯和歌山)の二塁打などで3点を追加した。
こうして、あわやコールドゲームかという展開にまでなったのだが、日本文理大も9回、青山学院大の3人目松井 大輔投手(4年=県立岐阜商)に対して、1死から中溝 治尋外野手(3年=龍谷)の二塁打など4本の安打で攻めて、2点を返した。
しかし、最後は、青山学院大の4人目として登板した鈴木 泰成投手(1年=東海大菅生)が何とか抑えて粘る日本文理大を退けた。
日本文理大の中村 壽博監督は「前半は僅差でついていくことができていたのですが、失策が出たり四球で崩れていったのは残念だった。攻撃面では、皆でつないでいこうということで、コールド負け寸前までいったところで、よくこらえて食い下がることができたのはよかった」と、選手たちの粘りは評価していた。
青山学院大の安藤 寧則監督は、「対戦したことのない相手でしたので、不安もありましたが、何とかいい戦いができました。先発の下村(海翔=4年・九州国際大付)はそんなに良くはなかったのですが、まとめる力はある投手なので、しっかりとゲームは作ってくれました。初回の中島の二塁打は、いけるぞ! という気持ちにさせてくれました」と、試合を振り返っていた。
また、阪神1位指名の下村も「チームは勝ったのでよかったのですけれども、自分の投球に関しては満足していません。四死球を出してしまったことも反省点です。今日は打者に助けられた形になりました」と言いつつも、「調子が悪い中でも、何とかフォークを使って投球ができるようになったのは自分の成長かなとも思います」と、冷静に自分の投球を分析していた。
青山学院大は春秋の連続日本一へ向けて、いいスタートを切ったといっていいであろう。