オリックス「定番の補強法」ドラフト下位指名の社会人は今年も新戦力になれるのか?
パ・リーグ3連覇を達成したオリックスは、10月26日に行われたドラフト会議において1位で横山 聖哉内野手(上田西出身)を一本釣り。2位から4位までも高校生を指名し、将来へ向けた「投資」を行う姿勢を見せた。彼らが来シーズンからいきなり1軍で活躍するのは現実的ではないかもしれない。だからといって来シーズンから1軍で戦力となりそうな、いわゆる即戦力を指名していないかというとそんなことはない。
5位・高島 泰都投手(滝川西ー明治大ー王子)、6位・古田島 成龍投手(取手松陽ー中央学院大ー日本通運)、7位・権田 琉成投手(上田西ー明星大ーTDK)と、下位指名では3人連続で社会人の投手を指名している。社会人出身選手を下位で指名するのは、もはやオリックスの定番となったといってもいい。過去10年のドラフト指名選手からも多くの活躍者が生まれ1軍の戦力となっている。
野手では杉本 裕太郎外野手(徳島商ー青山学院大ーJR西日本/2015年10位)がその筆頭だろう。2021年に初めて規定打席に到達すると、打率.301(478打数144安打)、32本塁打と大ブレークしホームラン王を獲得。その後も主力に定着した。その他では西野 真弘内野手(東海大浦安ー国際武道大ーJR東日本/2014年7位)、小田 裕也外野手(九州学院ー東洋大ー日本生命/2014年8位)、山足 達也内野手(大阪桐蔭ー立命館大ーHonda鈴鹿/2017年8位)がレギュラーではないが、それぞれ戦力となり3連覇に貢献した。
投手では阿部 翔太投手(酒田南ー成美大ー日本生命/2020年6位)が昨シーズン44試合の登板で防御率0.61と大ブレーク。今シーズンも49試合に登板し、防御率2.70と安定した投球を見せ、ブルペンを支えている。
今シーズンに入って躍進しているのが小木田 敦也投手(角館高ーTDK/2021年7位)だ。昨シーズンも16試合に登板し、防御率3.14と結果を残していたが、今シーズンは38試合の登板と倍以上に出場が増えた。その中でプロ初勝利を含む4勝0敗7ホールド、防御率2.19と成績を大きく伸ばした。
高島、古田島、権田の3人にとっても、下位指名から活躍した社会人出身選手が、チーム内に数多くいることは心強いだろう。この3人が来シーズン即戦力として1軍の舞台で活躍し、チームもパ・リーグ4連覇をつかむことができるだろうか。