試合レポート

2回戦 専大松戸 vs 東海大甲府

2023.08.12


SCORE
東海大甲府
専大松戸
1234567891011121314
0 0 0 1 0 3 1 0 0
0 0 1 3 0 0 3 0 X
TOTAL
5
7

151キロ右腕が投げなくても、専大松戸が接戦を制する!持丸監督も選手の判断力の高さ、勝負強さを高評価

<第105回全国高校野球選手権記念大会:専大松戸7-5東海大甲府>◇12日◇2回戦◇甲子園

今年の専大松戸(千葉)の強みは2つある。世代屈指の151キロ右腕に頼らなくても試合を作れる投手が3人いること。そして、経験値豊富な野手が多く、終盤にも強いことだ。

この日は1年通して作り上げた判断力の高さを生かしたプレーや、平野以外の投手陣の底上げが実った試合であった。

先発は渡邉 翼投手(3年)。持丸監督は「甲子園入りしてから一番調子が良かったんです。ストレートのキレ、コントロールも。初めて、試合前日、先発を告げました」と語る。渡邉も、この3年で最も調子が良かったと語る。実戦的な練習、ブルペンを評価された。

「監督さんから前日のブルペンで良かったぞといわれて、先発と告げられました」と嬉しそうに語る。

渡邉は甲子園のマウンドでもその実力を発揮し、常時130キロ〜135キロの直球と、鋭く曲がる変化球を武器に、5回まで1失点の力投。6回につかまって途中降板したが、それでも強打の東海大甲府(山梨)相手の力投は、今までの渡邉の実績から考えれば、大きな仕事を成し遂げたと言える。持丸監督も「今日は渡邉に尽きます!!本当は5回まででしたが、あまりにもよかったので、6回も行かせましたが、やはり厳しかったかな」と苦笑いを浮かべながら、渡邉の快投を称えた。

6回は満塁のピンチで、打球がファンブルするなど、やや不運な当たりで点を取られる場面もあった。持丸監督は「変なはね方をしていましたよね。あれは捕るのは難しいですよ。ただ素晴らしかったのは、ショートの中山が焦って送球することなく、確実にアウトを1個アウトにする姿勢が見えたこと。ミスからミスを広げてはいけないというのを教えていましたが、それがしっかりとできていました」と苦しい場面になっても冷静にプレーができていることを評価した。

そして7回、3番・中山 凱内野手(2年)の四球、4番・吉田 慶剛捕手(3年)のヒットで無死一、二塁のチャンスを作る。持丸監督は「さすがですね。逆転できるチームになることを目指してきて、無死からチャンスを作れたのは大きかった」と主軸の働きを高く評価した。その後、敵失や2つのスクイズで一気に7対5で逆転に成功する。持丸監督はこのイニングの攻撃について、こう振り返った。

「同点ではなく、2点を入れて逆転に成功することが大事でした。相手投手の球威が想像していたより良かったので、外野フライでの得点は望めないと思い、スクイズにしました」。

2つ目のスクイズを決めた宮尾 日向内野手(3年)はチームで1、2を争う俊足。相手投手の力量、自チームの走力を把握して最善な決断に至った持丸監督の采配も素晴らしいが、冷静に難しい作戦を実行できた選手たちの判断力も素晴らしい。

専大松戸の野手たちが幾度の公式戦でくぐり抜けて、その経験を生かしているのが伝わった。

リリーフの青野 流果投手(3年)も粘り強い投球で強力な東海大甲府打線を抑え、勝利に貢献した。

夏の全国大会での1勝は限りなく厳しいものだが、それをもぎ取った専大松戸。あとはエース・平野が思う存分、実力を発揮するだけだ。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.26

【春季四国大会逸材紹介・高知編】2人の高校日本代表候補に注目!明徳義塾の山畑は名将・馬淵監督が認めたパンチ力が魅力!高知のエース右腕・平は地元愛媛で プロ入りへアピールなるか!

2024.04.26

今週末に慶應vs.横浜など好カード目白押し!春季神奈川大会準々決勝 「絶対見逃せない注目選手たち」!

2024.04.26

【奈良】智辯学園が13点コールド!奈良北は接戦制して3回戦進出!<春季大会>

2024.04.26

【春季奈良県大会】期待の1年生も登板!智辯学園が5回コールド勝ち!

2024.04.26

古豪・仙台商が41年ぶりの聖地目指す! 「仙台育英撃破」を見て入部した”黄金世代”が最上級生に【野球部訪問】

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.23

【春季埼玉県大会】地区大会屈指の好カードは川口市立が浦和実を8回逆転で下し県大会へ!

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!