樟南二vs指宿
樟南二2点目・辰濱三塁打
自ら崩れず、価値ある夏2勝目・樟南二
<第105回全国高校野球選手権鹿児島大会:樟南二3-1指宿>◇10日◇2回戦◇鴨池市民
樟南二・牧園 剛弥(2年)、指宿・濵田 一光主将(2年)、両右腕エースの好投などで7回まで両者無得点と1点を争う緊迫した好ゲームとなった。
牧園は7回1死まで無安打に抑え、つけいるスキを与えなかった。
8回、樟南二は先頭の9番・中井 太陽(3年)が四球で出塁し、盗塁を決め、1番・山田 琉之介(2年)が右越え二塁打を放って先制。代打・辰濱 海静(1年)の中越え三塁打で2点目を挙げ、相手のエラーでもう1点を加え3点を先取した。
その裏、指宿も反撃。2つの四球などで2死一、三塁とすると、9番・西村 将斗(1年)が右越え二塁打を放って1点を返した。
9回は2死満塁と一打同点、逆転のピンチを背負ったが、8回までで降板し一塁の守備についていたエース牧園が空振り三振で仕留め、2点差を守り切った。
樟南二が接戦をものにした。「夏に2勝するのは初めて」と我那覇悟志監督。結果だけでなく、チームの掲げた「自ら崩れない野球」(荻田 正輝主将=3年)を実践できた点でも価値ある勝利だった。
我那覇監督が就任して3年目。これまでの県大会はほぼ初戦敗退。大半が5回コールドで終わっている。相手の強さ以上に「四死球やエラー、自分たちから崩れて」(我那覇監督)大差をつけられた。9回まで試合をして勝利を挙げた昨秋の隼人工戦は、両者打ち合ってミスも出て、消耗戦のような試合だった。
この日意識したのは「守備から攻撃のリズムを作る」(荻田主将)こと。2年生エース牧園が立ち上がりから好投し、野手陣も無失策で守り切った。得意の打撃は7回まで内野安打1本と攻めあぐねたが「我慢して、しっかり送って形を作っていればきっと流れはくる」(我那覇監督)と信じて疑わなかった。
我慢が8回の攻撃で花開いた。四球で出塁した9番・中井は意表を突く二盗を決め、1番・山田が右越え二塁打で先制点。2番・荻田主将は犠打で好機を広げ、1年生ながら思い切りの良さに定評がある代打の辰濱が初球を強振し2点目の中越え三塁打を放つ…「ベンチも含めた全員で戦う」(荻田主将)姿勢が凝縮された3点だった。
3日に鹿児島入り、6日に初戦を迎えるはずだったが、相手の棄権で不戦勝。試合がないまま鹿児島滞在という想定外の1週間だったが「練習、ホテルでの過ごし方も含めて崩れないことを常に意識させた」(我那覇監督)。やってきたことが結果につながることほど自信になるものはない。荻田主将は「次の試合も守備から攻撃のリズムを作る。例え先制されても最後まであきらめない野球をやりたい」と張り切っていた。
指宿・濵田
指宿円陣
樟南二盗塁
指宿・元脇
樟南二円陣
樟南二2点目・辰濱三塁打
樟南二3点目
樟南二・牧園
樟南二1点目
樟南二2点目
樟南二2点目
樟南二1点目
樟南二・牧園