横浜隼人vs武相
強打の横浜隼人復活へ。期待の4番が3ラン!オリックス・宮城を参考にする左腕エースも好投
石橋飛和(横浜隼人)
<春季神奈川県大会:横浜隼人12-4武相>◇9日◇2回戦◇保土ヶ谷球場
横浜隼人vs武相と強豪校同士の一戦が2回戦で実現。試合は2回表に横浜隼人が2点を先制し、3回裏に同点に追いつかれるが、4回表に一挙7点を入れて、9対2。その後も4番久保の本塁打で12得点。3投手の継投リレーで武相の反撃を4点に留め、12対4と7回コールド勝ちで注目のカードを制して3回戦進出を決めた。
強打の横浜隼人復活へ。それが期待できる攻撃内容だった。
2回表、バッテリーミスで1点を先制し、連打でチャンスを作り、9番・山野井 寛大捕手(2年)の適時打で1点を追加した。同点に追いつかれたが、4回表には相手投手が制球を乱し、さらに守備の乱れもありながらも、要所で適時打が飛び出し、一挙7得点を入れた。
そして6回表には、4番久保 風仁内野手(3年)が好投手・永嶋 心太郎投手(3年)から高めのボールを思い切り巻き込んで3ランを放った当たりはまさに「隼人の4番」に相応しい一打であった。
横浜隼人の水谷監督は強打復活のために、この冬場はとにかくバットを振ることを重視したという。どの選手もヘッドスピードが速く、特に4番久保の力量は素晴らしいものがあり、スローイングなどを見ても体の強さが伺える。県内でも上位に入るスラッガータイプのサードではないか。
また投手陣も大きく成長を見せている。昨夏から経験している左腕・石橋 飛和投手(3年)が好投。3回裏に同点2ランを許したが、176センチ80キロとガッシリとした体型が特徴で真上から振り下ろすオーバーハンドから常時130キロ前半〜最速137キロをマーク。また、良かったのは90キロ台のカーブとのコンビネーション。遅い時は87キロなど、90キロを下回る時もある。
このカーブを続けてから、135キロのストレートで押し切る投球を見せている。遅いカーブを上手く使うのは、オリックスの宮城 大弥投手(興南出身)の投球スタイルを参考にしているようだ。ただ内外角に投げ分けるだけではなく、高めにもうまく使うことができており、5回3失点の力投を見せた。実力的には、県内でも上位に入る好投手だ。
そして6回裏から同じく昨夏から経験している速球派右腕・山口 喜貴投手(3年)が登板し、恵まれた体格を活かし、コンスタントに135キロ〜138キロのストレートを投げ込んでおり、球威自体は石橋を上回ることがあり、140キロを超えることもあるようだ。また縦に鋭く落ちる変化球も投げ込んでおり、高低で勝負できる投手で、青山 美夏人投手(西武)の高校時代を思い出させるような投球スタイルだった。
3番手の新井 陽晴投手(3年)もリリーフ。最速は140キロを超えるという投手で、球威ある直球が魅力だった。
投打ともに人材が揃い、ベンチもかなり活気があり、スタンドの応援もとても元気があり、見ていてワクワクさせられる。部員全員での「綱引き野球」で頂点を目指す横浜隼人。この春の躍進が楽しみだ。
(取材=河嶋 宗一)