國學院久我山vs帝京
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國學院久我山 4人の投手をつないで、逆転で帝京を破る
國學院久我山5番・下川邊隼人
帝京は1,2回戦完投したエースの高橋蒼人は、3回戦では2イニングしか投げなかった。準々決勝が終わった後、帝京の金田優哉監督は、「高橋の肩に不安がありました。できれば、試合の後半にというのがゲームプランでした」と語る。先発のマウンドには、二塁手が本業の大塚智也が立った。
対する國學院久我山の尾崎直輝監督は、「タイプの違うピッチャーが揃っています。どの子が出ても楽しみです」と、こちらも継投が前提にした投手起用であった。先発のマウンドには背番号19の左腕・渡邊建伸が立った。
1回表帝京は、1番・小島慎也の左前安打に野選と四球でいきなり無死満塁のチャンス。4番・渡邉礼の右前安打に失策が重なり、帝京が2点を先制。それに2つの四死球で押し出し。けれどもなおも続く一死満塁のチャンスで、8番・鵜飼陽太は投ゴロで1―2-3の併殺。追加点はならなかった。國學院久我山の尾崎監督は、「あそこはよく3点で収まってくれました」と語る。点を取れるところで取っておかないと、試合の流れは変わる。
2回裏國學院久我山は、2つの四死球で一死一、二塁とし、8番・橋本大豊の左前安打に敵失が絡み2人が生還。橋本も三塁に進んだ。さらに1番・齋藤誠賢の中前安打で同点に追いついた。
3回裏は、この回先頭の5番・下川邊隼人が、「低めの球に、思い切りヘッドを走らせました」と語る打球は、レフトフェンス直撃のあわや本塁打という当たりの二塁打になる。7番・吉川侑杜の右前安打に、内野ゴロで1点を入れて國學院久我山が逆転する。
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帝京 高橋蒼人
帝京は2回途中から左腕の安藤翔が投げ、4回裏からはエースの高橋が登板する。國學院久我山も4回表から右腕の松本宗二郎が登板する。松本宗は4回表を無失点に抑え、その裏の攻撃の打席では二塁打を放つ。1番・齋藤の内野安打で三塁に進んだ後、2番・木津寿哉のスクイズが決まり、1点を追加。さらに5番・下川邊の左前適時打で1点を追加する。この秋の國學院久我山のバントは、夏に比べれば精度は低く失敗もあるが、ここ一番ではしっかり決め、チームの武器になっている。國學院久我山は5回裏にも1点を追加する。
國學院久我山は5回表から左腕の松本慎之介が登板。7回表に帝京の4番・渡邊に本塁打を打たれたものの、安定した投球で後半の試合を作った。
帝京の高橋も、1球1球、気持ちの入った投球で國學院久我山打線を抑える。けれども國學院久我山の松本慎の投球も危なげなく、9回は投手陣の柱になっている成田陸が締め、國學院久我山が4人の投手の継投で、逃げ切った。
試合後帝京の金田監督は、「ベスト8,ベスト4を目指すチームではない」と、敗戦の悔しさをにじませた。また本塁打を放った渡邊も、「チームが勝たなければ意味がありません」と語った。けれども、最初から勝てる監督はほとんどいない。前田三夫監督が勇退し、新生・帝京の戦いは始まったばかりだ。
國學院久我山の秋の4強は、11年ぶり。その時のチームはセンバツに出場している。ここ数年は夏にチームを仕上げているが、この秋は、まだまだ発展途上ながら、しっかりベスト4に残った。尾崎監督の野球は、確実に進化している。準決勝は、夏の西東京大会に続き日大三との対戦だ。若い尾崎監督とベテランの小倉全由監督との対決も楽しみである。
國學院久我山・渡邊健伸
國學院久我山3番・上田太陽
國學院久我山4番・成田陸