沖縄尚学vs中部商
延長11回の激闘！制したのは沖縄尚学
延長10回、決勝となるタイムリーを放ち一塁へ向かう沖縄尚学・大城稜我
思い返せば一年前の春。その前の秋を制した沖縄尚学が、中部商の前に０対5と完敗。そのときと同じく、秋の王者として[stadium]Agreスタジアム北谷[/stadium]の地で中部商を迎えた沖縄尚学。延長に突入する激戦に勝利し、一年越しのリベンジを果たした。
先制する沖縄尚学。追い付く中部商
先制したのは沖縄尚学。3回、一死から仲宗根 皐が四球で出塁すると2番知念 新がライト前ヒットで続く。後間 翔湖のライトフライで二走が三塁へ。続く知念 大河の死球で満塁とした。ここでチーム1、2を争う勝負強さを持つ長濱 諒が期待に応える右前タイムリー。二者が生還しなお一・三塁と攻め立てる沖縄尚学に、中部商ベンチが動く。エース格の與古田 舜をマウンドに送ると、気合十分の與古田は三振に仕留め難を逃れた。
しかし4回、沖縄尚学はこの回先頭の大城 凌我がフルスイング。ソフトバンクホークスの柳田を思わせる豪快なスイングで、打球は高々と舞いライトのフェンスを軽々と越えた。「公式戦では一年生中央大会以来2本目です。」と大城 凌我。中部商にとって、この男を目覚めさせてしまったのが後に響くこととなる。
追う中部商はその裏、3番平川 渚がレフト前ヒットで出塁。牽制球が逸れる間に二塁へ。次打者の内野ゴロの間に三塁へと進んだ。このチャンスに當山 拓真がレフト前へタイムリー。さらに石川 倫がライトへ野原二塁打を放ち二・三塁とする。
見るからに好調時とはかけ離れたピッチングの沖縄尚学エース後間翔湖だったが、フィールディングは別。次打者のスクイズを阻止し本塁アウト。しかし與古田 舜に3ボール2ストライクから死球を与えると、沖縄尚学ベンチは後間 翔湖を諦めて左腕當山 渚を投入。その代わりっぱなを中部商玉城 孝之助が捉える。二者が生還し見事同点に追い付いた。
延長11回、大城が変化球を捉え決勝タイムリー
その後は両軍投手が踏ん張る展開に。與古田 舜からもう一人のエース西原 樹に繋いだ中部商は、5回から10回まで沖縄尚学打線をヒット4本に抑える。一方、當山 渚、豊田 大航と繋ぐ沖縄尚学はさらに上を行く中部商打線のヒットを僅か1本のみ。しかし決定打が無いまま、試合は11回へ突入していった。
沖縄尚学はこの回先頭の知念 大河がボール球を見極め四球で出塁。その後二死二塁とし打席には大城凌我。一塁は空いているもののここは勝負所。しかし、大城 凌我の気持ちが中部商を上回る。「ホームランのあと大きく振って（凡退して）いたけど、ここは何としても食らい付いて打つぞと。」変化球だったが、気持ちの分、間を作ることが出来た。ライトの横へ落ちるタイムリーで二走が生還した。
その裏沖縄尚学は長身右腕比嘉 佑をマウンドに送る。先頭打者に四球を与え嫌な雰囲気になったが、落ち着いて後続の三人を斬ったのはさすがだった。
反省すべき点を見直し、修正してきた沖縄尚学は続く三回戦（28日対美来工科）に快勝し、ベスト8へコマを進めた。
（取材＝當山 雅通）
