東海大相模vs鳥取城北
エースもアグレッシブベースボールを実践!東海大相模・石田隼都が5回7奪三振の圧巻リリーフ!
石田隼都(東海大相模)
TOKAI対決を制した東海大相模と三島南との熾烈な一戦を制した鳥取城北。ベスト8進出をかけた一戦は、激しい投手戦となった。
東海大相模の求航太郎と鳥取城北・山内龍亜の両投手がストレートの軸に、縦に落ちる変化球を駆使する投球術でホームを踏ませない投球で引き締まった展開に。その中でも東海大相模が2回に4番・柴田疾の出塁からチャンスを作り、6番・佐藤優真のタイムリーで先取点をもぎ取った。
これが決勝点。東海大相模は2番手に石田隼都を投入するなど、1点を何とか守り抜いて鳥取城北から勝利。ベスト8進出を決めた。
辛くも勝利した東海大相模。鳥取城北との投手戦で苦しい試合となったが。そのなかでも踏ん張りを見せてきたのはエース・石田隼都だろう。5回から登板し、再三得点圏にランナーを背負うピンチを招き続けたが、最速142キロを計測したストレートを軸に鳥取城北にあと1本を許すことはなかった。
5回から行くことは事前に言われていたという石田は「準備はできていました」と万全の態勢でリリーフのマウンドに上がった。
石田は最速142キロを計測するなど5回投げて無失点。平均球速も137.1キロと、前回の東海大甲府戦ほどではないが、この試合でもスケールアップした速球を駆使して相手打線を圧倒。ランナーを背負いピンチを招きながらも、力で相手打線を圧倒した。
一冬かけてウエイトトレーニング、そしてランニングといった地道な反復練習を重ねてきた。その結果、フィジカル面が強化されたことで、投げるボールそのものもスケールアップしたが、意識の面でも変化してきたことが打者を圧倒する投球に繋がっていると考えられる。
「投手陣全員が後ろの投手に繋ぐつもりで投げていますので、短いイニングを全力で腕を振って、投げるようにしています。頼もしい仲間だと思っています」
難しく考えることなく、とにかくミットを狙って腕を振り切る。シンプルかつ単純だからこそ迷わないというのもあるだろう。そしてこの試合に限っていえば攻めの姿勢が石田のピッチングの後押しになっただろう。
「9回のピンチの時に伝令の小林からは『攻めてこい』と言われました。なので、攻める気持ちをもって腕を振っていきました」
門馬監督もこのシーンについては、「あそこは技術ではなく、気持ちだと思いましたので、伝令に伝えてもらった」と話しており、ピッチングでも東海大相模の象徴『アグレッシブベースボール』を貫くことを石田に伝え、それを体現するべく思い切り左腕を振り続けた。
得意の走塁を絡めた攻撃は鳥取城北バッテリーの前に発揮できなかったが、石田がピッチングで十八番の『アグレッシブベースボール』を見せ、ベスト8の道を切り開いた。ここからはさらに厳しい一戦となるが、この試合のように攻めの姿勢を貫いていけるか注目だ。
(取材=田中裕毅)