試合レポート

木更津総合vs木更津

2019.08.25

熊谷、春元のリレーで木更津総合が県大会へ

木更津総合vs木更津 | 高校野球ドットコム
木更津総合先発・熊谷

【熱戦の模様をギャラリーでチェック!】

 今夏の千葉大会は習志野との死闘を演じた木更津総合。再び戦国千葉の頂を目指して地区予選からスタート。25日は県大会をかけて木更津と戦った。

 旧チームは根本太一や2年生の篠木健太郎らを中心とした守りからリズムを作った。今年のチームも同じく投手陣は計算が立ちそうだが、打線が上位進出のカギを握りそう。特に上位陣の出来がリズムに繋がりそうだと感じさせる試合だった。

 1番・秋元はピッチャーが足を踏み出しに行くタイミングで始動。足を小さく上げて両脇をしっかり閉めてシャープにスイング。ボールへのコンタクトを大事にしたアベレージのスイングを心がけているように見える。
 2番・大西も少しテイクバックをとり、ピッチャー方向にヘッドを入れているが体の近くでバットを構えるフォーム。大きな反動で飛ばすのではなくしっかり押し込んで飛ばしていこうというのが見える。
 そして3番の山中もシンプルなフォームだが、下半身主導のフォームが特徴的。足を上げてその場におろすだけだが、タイミングを外されても下半身主導のおかげでその場で踏みとどまってスイングができている。

 その3人が初回からリズムを作る。
 1番・秋元が三塁打で出塁すると、2番・大西のセカンドゴロでホームイン。幸先よく先取点を奪う。3番・山中は内野安打で出塁するも後続が続かず初回は1点のみ。その後、2回には9番・属増のタイムリー、3回には6番・岡本のレフトスタンドへの本塁打などで3点、と4回表にも1点を加えて7対0と試合の主導権を握る。

 木更津総合の先発はサウスポー・熊谷。セットポジションからクイック気味の投球フォームから勢いのあるストレートと縦のスライダー。さらには大きく曲がるカーブとチェンジアップを持つ本格派。試合序盤はストレートで空振りを奪い、キレがかなり良さそうな印象だった。

 しかし4回に木更津2番・清井のヒットと3番・鈴木(元)をエラーで出すと、6番・吉田に高めのストレートをレフトに運ばれ2点を返される。


 5回以降は試合が膠着するが、木更津総合が7回に二死から1番・秋元が出塁し、相手のミスでダメ押し。8回にも相手のミスでコールドとなる9点目を入れてゲームセット。木更津総合が9対2の8回コールドで県大会出場を決めた。

 序盤の試合運びを見れば木更津総合が打って流れを持ってくるかと思ったが、そうとはならなかった。木更津の先発・吉田と2番手・重城、そして3番手・長島の前に一気に畳みかけることはできなかった。しかし、下位打線にいた7番・佐々木と9番・属増はバスター打ちでミートさせようと心がけていた。さらに中軸にも一発があり、繋がりだすと厄介な打線。相手投手は連打で勢いを与えてはいけない。逆に木更津総合打線は単打で繋ぐことでリズムを作っていきたい。そのためにも1番から3番でいかに加速させられるかが大事だろう。

 また走塁でも果敢に次の塁を狙ってきた。木更津の外野手は長打を警戒して深い守備位置。それを見た木更津総合は果敢にヒットでも二塁を狙い、見事に陥れた。長打に頼るのではなく単打と足を絡めた攻撃は対戦チームは神経を使いそうだ。

 そして投手陣。今日は先発の熊谷と2番手・春元の2人で投げきった。先発の熊谷はストレートにはかなり力があるが、上手く右足に重心を乗せきれていないのか、投げ終わりで後ろにのけぞることがある。しかし滑らかにフォームとボールの力は良かった。

 さらに2番手で登板した春元も悪くない。最初の印象は篠木と似ているということ。ワインドアップから左足にポンとグラブを当てて、そこから体重移動。篠木ほど前でリリースができているわけではないが、スリークオーターの腕の高さから切れ味鋭いスライダーとストレートを中心に打者を翻弄。投げっぷりも良く、県大会もチェックしておきたい投手だった。

 篠木、吉鶴、熊谷、春元の4投手が県大会で自分の投球をすれば簡単に大量失点はないだろう。だからこそ野手の援護がカギを握っている。県大会ではどんなオーダーで攻撃を仕掛けてくるのか、ポイントにしてきたい。

 一方敗れた木更津はエース・吉田の投球が目に留まった。セットポジションから左腕を前へ伸ばしてリードしながら、ゆっくり体重移動をしていく。時に左足が突っ張っているように感じさせるが、角度を付けた投球フォームから縦の変化球をカウントやフィニッシュに使う。このボールが甘く入ればはじき返されたが、見逃しも取れた。このボールをどこまで磨けるかが、さらなる成長の課題だろう。

(記事=田中 裕毅)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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