一宮南vs半田
1対1の投手戦は、8回に長打で一宮南が突き放す
打田
泰清君(一宮南)
秋季大会を終えた愛知県だが、その後を受けて全尾張、全三河という、それぞれの地区での大会が開催されている。毎年、春と秋に開催されるのだが、今大会で124回目となる歴史になっている。全尾張大会は知多地区と尾張地区に分かれて、知多は3校、尾張は5校が決勝大会に残るという大会である。
名古屋市に隣接する知多地区と尾張地区の学校のレベルアップを図っていこうという狙いもある。
1回にお互い1点ずつ取り合った試合だったが、そのまま膠着した形になっていった。
1回の半田は一死から、竹内 優一君が四球で出ると、3番新美 奏太君が左前打で続いて、4番高橋 効君が中前へ適時打でいい形で先制する。その裏、一宮南は簡単に二死となったものの、そこから四球と盗塁、相手失策で同点とした。二塁走者宮下君の積極的な走塁も光った。
その後は、半田は新美 奏太君が毎回のように走者を出しながらも、丁寧な投球で何とか凌いでいた。また、一宮南は、4回に打田君の打席で山川貴大監督は代打を送って、5回からは2番手として左横手投げのやや変則タイプで本来の主戦投手だという小川 晧聖君が登板して0に抑えていた。
こうして1対1のまま、試合は続いていった。
均衡を破ったのは、8回の一宮南だった。二死走者なしから、4番河原君が右前打すると、続く旅田君は一番新美君にタイミングが合っていたのだが、中越に運ぶ三塁打で一走を帰した。結局、これが決勝点となった。
一宮南の山川監督は、「イメージ通りの試合でした。投手は4~5回で継投と考えていましたから、予定通りでした。先発した打田がよく投げてくれました。小川は、大崩れすることはあまりないので、(今日の好投を自信として)投手に2枚の看板を作っていきたいと思っています」と、快勝に晴れやかな表情だった。
また、攻めても積極的に足を使った攻撃で、「県大会に出て、やはりそんなに打てるものではないということもわかりました。だから、足を使って積極的に仕掛けていかなくてはいけないと思った」という考え方が浸透してきて、盗塁死OKとして、果敢に走って行ったことも功を奏していた。
半田の後藤浩介監督は、「貧打でしたね、打球戦でした。左投手をどう攻略していくのかということょテーマとしていたのですが、課題を克服できませんでした。試合としては、初回の1点取ってなおも満塁というところで、もっと畳みかけておかないといけませんでした」と、反省点を多くあげていた。そして、「せっかく本大会に出られたのですから、あと一つ勝って、強豪(愛知啓成)とやりたかったんですが…」と残念そうだった。
(文=手束 仁)
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