東海大菅生vs三本松
この国体にかける!東海大菅生が1番田中の三塁打から7回コールド勝ちを呼び込む!
田中幹也(東海大菅生)
夏の甲子園準々決勝同士の再戦。試合は東海大菅生が優位に進めた。1回表、三本松は一死三塁から4番盛田のレフトへの犠飛を放ち、1点を先制。しかし東海大菅生は1番田中幹也が打席に立った。
「甲子園では抑えられていたので、なんとしても打ちたいと思っていました」
1球目がスライダーで2球目の138キロのストレートをパンチショット。打球はセンターの頭を超えるスリーベースとなった。無死一、三塁となって、小玉 佳吾の犠飛で同点に追いつく。さらに、無死一、二塁から8番西川 舜悟のタイムリーと田中の犠飛で勝ち越しに成功する。
ここからは両エースの投げ合い。松本健吾はテークバックを大きめに取り、真向から振り下ろすフォームから繰り出す常時135キロ前後・最速139キロのストレート、120キロ台のスライダー、フォーク、カーブをコンビネーションに、しっかりと投球を組み立てる投球で。6回1失点。「久しぶりの実戦でしたが、しっかりと投球ができた」と笑顔を見せた。
勝ち越しを許した三本松のエース・佐藤圭悟も、130キロ後半のストレートを見せ球にしながら、スライダー、カットボール、チェンジアップ、カーブと多彩な変化球を投げ、マークする打者にはカットボールを連投するピッチングを見せ、東海大菅生打線を抑え、3対1のまま7回表に突入する。7回表、三本松は、2番手・戸田懐生に襲いかかり、代打・高橋 幸佑の安打をきっかけに、二死一、二塁から1番浦上 統也のレフト前タイムリーで1点を返す。
しかし、東海大菅生は二死一、二塁からチャンスを作り、1番田中が低めに入ったスライダーを逃さず、レフト越えの三塁打で、二者生還し、5対2と点差を広げた。田中は高校に入って公式戦初の1試合三塁打。どちらかというと強肩、守備範囲の広さが光る遊撃手だが、だいぶ力強さが目立つ打撃ができるようになった。この秋は一次予選で敗退。公式戦が終わり、この国体にかけている思いは強く、「公式戦はこの大会しかないですし、優勝したい思いはあります。そして、現役でありますので、違いは見せていきたい」と言葉通り、格の違いを感じさせるパフォーマンスを見せた。田中の一打で活気づいた東海大菅生打線は、連打で点を重ねる。三本松の佐藤はコーナーに気を付けたが、高めに浮いた直球を修正できず、東海大菅生打線が逃さなかった。最後は5番奥村 治がレフトオーバーの適時二塁打で、9対2。7回に、怒涛の6連打で、6点を入れた東海大菅生が7回コールド勝ちを決めた。
投打のキーマンで活躍を見せ、東海大菅生。正捕手・鹿倉 凛多朗、右サイド・山内大輔が大学の受験で抜けていたが、今日の試合から合流できる見込み。「この大会にかけています」と若林監督が語るように、東京都勢では2011年・日大三以来の優勝を目指す。
(文=河嶋 宗一)
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