神村学園vs京都成章
神村学園、好投手・北山に苦しむも、サヨナラ勝ち!
京都成章(京都)vs神村学園(鹿児島)
第99回全国高校野球選手権大会第7日目の第1試合。19年ぶり3回目の出場の京都成章と5年ぶり4回目出場の神村学園の一戦は1点を争う好勝負となった。
この試合の注目は、京都成章のエース・北山 亘基(3年)だ。京都大会で49イニングを投げて60奪三振を記録した右の本格派右腕である。伸びやかで、躍動感あふれる投球フォームから140キロ台の速球、縦割れのカーブ、縦に落ちるスライダーをコンビネーションにする投手だ。甲子園でも前評判通りの投球を見せてくれた。
右オーバーから投げ込む直球は常時135キロ~142キロを計測。力を入れれば、常に140キロを計測しており、高めに伸びるストレートは回転数が高く、空振りを奪うことができていた。北山の長所はしっかりと下半身主導で体重移動ができていて、しっかりとリリースで押さえ込めるのが長所だ。そして縦割れのカーブ、落差の大きいチェンジアップで強打の神村学園打線から毎回三振を奪う。先制の1点をもらい、5回まで無失点の投球を続けていた。しかし6回裏、二死一、三塁のピンチを招き、田中祐大(3年)に高めに浮いたストレートを捉えられ、逆転の適時三塁打を浴び、1対2とリードを許す。
神村学園の先発・青柳貴大(3年)も立ち直りを見せ、速球は125キロ前後なもの、内外角に低めに集める投球。さらに100キロ台を割るカーブ、そして、110キロ前後のスライダー、チェンジアップをテンポよく投げ込んで、8回二死まで1失点の好投を見せる。とにかく勢いで押す北山とは対照的に、青柳は技巧派投手らしい投球で京都成章打線を抑えていた。しかし8回二死から登板した中里 琉星(2年)が、9回二死から、3番茂木健 (3年)に同点本塁打を打たれ、9回裏に。
しかし9回裏、一死満塁のチャンスを作り、中里のサヨナラ適時打で3回戦進出を決めた。神村学園は自慢の打線が爆発とはいかなかった。それだけエース・北山の投球が素晴らしいものだったからだろう。次は明豊との九州対決が行われるが、投手陣をカバーする強打を見せていきたい。
(文=河嶋宗一)
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