中京大中京vs豊橋中央
初の4強進出の豊橋中央を中京大中京が圧倒して決勝進出
両校の力からしたら、スコアだけの力の差はなかったであろう。しかし、創部15年目にして初めて愛知大会ベスト4進出を果たした豊橋中央と、全国優勝春4回、夏7回で甲子園出場は春30回、夏27回で通算勝利数も全国最多の133勝(46敗)を記録している中京大中京。同じ高校生同士の対決なのに、そんなキャリアの差が、どこかに出ていたのかもしれない。そんなことを思わせる試合内容だった。
中京大中京は初回、先頭の伊藤 康祐が初球を叩いて中堅右へ三塁打を放つと、続く谷中 航が左中間二塁打してあっさりと先制。なおも四球後4番鵜飼 航丞に高橋 源一郎監督はあえてバントを指示。そして、5番諸橋 駿が左翼へ犠飛を放ってこの回2点。早くも中京大中京が主導権を得た。
2回にも二死走者なしから死球の鈴木 遼太郎を9番香村 篤史が二塁打して自身のバットで追加点を挙げた。そして3回には4番鵜飼の左翼線二塁打が口火となって四球もあって、豊橋中央の樋口 靖晃監督は先発三浦 圭貴を諦めて二番手として右サイドの花井 直樹を送り出した。しかし、花井も捕まって鈴村 哲に右中間二塁打、四球後香村のタイムリー打と1番伊藤 康祐の二塁打などでこの回4点。
さらに4回にも三番手三浦 蓮太郎に対して澤井廉の二塁打から始まって、3安打2四球などで4点。さらに、5回にも4人目で背番号1を背負う、準々決勝で力投した西脇 壮哉を攻めて、鈴村の左翼線二塁打などでさらに3点が追加された。5回を終わって、中京大中京は0点のイニングがないという猛攻ぶりを示した。まさに、伝統校が、大会の進行とともに、徐々に潜在能力を発揮してきたという感じである。
豊橋中央の外野陣が、中京大中京の長打を警戒するあまりに、深めに守りすぎていて、その前に打球が落ちていたというケースもいくつかあったかもしれないが、それでも5回で12安打、8本の長打は、さすがと言っていいであろう。
豊橋中央は、初のベスト4での戦いだったが、4投手がことごとくつかまったのは樋口監督としてもちょっと誤算だったかもしれない。それでも、注目の長嶺 樹生は鋭い打球の安打を2本記録。そして、4回5回と1点ずつながら返していって、一糸を報いていたことは、来年度の新チームへつながっていくのではないだろうか。2年生の多いチームでもあり、次のステップへの期待も高まる。
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