試合レポート

作新学院vs東海大市原望洋

2016.10.30

作新学院・左腕エース大関が1失点完投で、38年ぶりの5度目の優勝!

作新学院vs東海大市原望洋 | 高校野球ドットコム

1失点完投で優勝へ導いた大関 秀太郎(作新学院)

 10月30日、気温14度という肌寒い[stadium]宇都宮清原球場[/stadium]で第69回秋季関東地区大会の決勝戦が行われた。両チーム選抜は当確しているものの、作新学院は38年ぶりの優勝へ、東海大市原望洋は初の決勝進出で初優勝を狙うべく火ぶたが切られた。

 序盤は3回までお互いスコアボードに0が並び、静かな立ち上がり。先制点が非常に大事となる展開であったが、その均衡を破ったのは作新学院だった。

 4回表、一死無塁から9番・加藤 翼が二遊間を破るヒットで出塁、1番鈴木 萌斗が素晴らしい選球眼でフォアボールを選ぶと、2番添田 真聖がライト前へ放ち加藤が一気にホームに生還。続く3番中島 淳が左中間を抜くスリーベースで2点を追加しこの回で作新学院が3点を先制する。

 作新学院の先発・大関 秀太郎はこのリードを貰いテンポよく投げ込んでいくが、5回裏に東海大市原望洋の7番樋口 圭輔に甘く入った球を振りぬかれ、綺麗な放物線を描きながらレフトスタンドに飛び込むホームラン。3対1とされ、東海大市原望洋の流れになりそうであったが大関はこのホームランに対して動じず、その回の後続をしっかりと抑え込み、東海大市原望洋に流れを譲らない。


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先発・金久保 優斗(東海大市原望洋)

 大関の快投もあり、攻撃のテンポも出てきた作新学院は7回にダメ押しとなる追加点を挙げる。
一死ランナー無しから6番七井 祐吏が相手の敵失で出塁。東海大市原望洋にとってはこの試合で3つ目のエラー。しかしこの乱れに対してキャッチャーの宍倉 貫太が強肩を見せつけ、一塁ランナー七井の盗塁を阻止。一つのミスに対して全員でカバーしていく野球で作新学院にチャンスを広げさせない。ツーアウトランナー無しとなったが、先発・金久保 優斗は踏ん張ることができない。7番池澤 快斗に対してフォアボールを与えると、8番大久保 湧史にライト前に放たれ二死一、二塁。ここで迎えるはキャッチャーとして大関の女房役でもある9番加藤が右中間を抜く走者一掃のスリーベースで2点を追加し、5対1と差を広げる。

 この4点のリードに大関は油断することなく、しっかりと終盤も望洋打線を抑え込み作新学院が38年ぶり5度目の優勝を手にした。

 作新の大関は、何かがずば抜けて突出している印象は無かったが、ストレート・変化球ともに低めに丁寧に投げ込む堅実なピッチング。結果として被安打5、失点1という内容であったが、三振は3つしか取っておらず望洋打線に対し凡打の山を築いた。

 東海大市原望洋の金久保は、140キロを超えるストレートが持ち味であるが、この試合では終始130キロ前後のストレート。速さよりかはコントロール重視という印象で低めへの投球が目立っていたが、被安打9を浴びてしまい、連戦ということで疲労もあったのか自分が思うようなピッチングではなかった。

 作新学院は、11月に神宮大会・3月には春の選抜。この先、全国の強豪との戦いが待っているが、怖じ気づくことなく、走攻守において作新学院らしい堅実的な野球で勝ち上がってくれることを期待したい。

 東海大市原望洋は、ここぞでの一本が出ず、残塁は7。決して完全に〝負け″という試合ではなかったが、少しチャンスでのバッティングが簡単に行き過ぎてしまうことが、一点に繋がらなかったのではないだろうか。春に選抜が待ち構えているが、東海大市原望洋らしい攻撃的な野球を春には存分に発揮してもらいたい。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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