試合レポート

滝川第二vs中越

2015.08.09

投打ともにハイレベルな戦いを展開 滝川二がサヨナラ勝ち!

  熱戦が続く甲子園だが、この試合も、投打に高いレベルの選手が揃い、見応えある一打であった。
 1回表、中越の先頭・入澤 武弘(3年)が内野安打、2番・永井 海斗(3年)が四球で出塁。3番・小林 史弥(3年)が犠打を決め一死二、三塁とする。二死後に、5番・治田 丈(3年)が二遊間を抜ける中前安打で1点を先制。

 そして1回裏、注目の根来祥汰(3年・ねごろ)が打席に立つ。根来は兵庫大会で打率.500、8盗塁と巧打と驚異的な俊足を見せている選手だった。根来は止めた当たりが二ゴロに。しかし根来は俊足を飛ばし、内野安打に。何と3秒62を記録し、驚異的な俊足を見せる。だが後続が続かず無得点。

 しかし滝川第二は、3回に先頭の8番・芝本 裕樹(3年)が左中間を破る二塁打と1番・根来 祥汰(3年)の中前安打で一死、一、三塁とすると、2番・大嶋 雅人(2年)の中前適時打で1点を返す。根来は2打数2安打。チャンスメイクがしっかりと出来る選手だ。何より良いのは、神経の伝達が良く、トップからインパクトまで無駄がないスイングができており、これでさらに強いスイングができるようになれば、足以外でも存在感を示してくれそうだ。

 だが5回、中越は一死満塁から3番・小林 史弥(3年)が遊撃手の横を抜ける中前安打で再び勝ち越すも、滝川第二もくらいつく。6回に無死から連打で、一、三塁から6番結城 宝(3年)のニゴロの間に1点を返すと、さらに一死一、三塁から8番・芝本 裕樹(3年)の犠飛で滝川第二が初めて勝ち越しに成功した。


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 ともに打線が活発であったが、両チームの投手もレベルが高かった。中越の先発・高井 涼は右腕から135キロ前後の直球、130キロ前後のスプリット、130キロ前後のスライダー、カーブで勝負する好投手で、縦変化を自分のモノにしているのが強み。6回にボールが甘く入ることが多くなり、降板したが、次のステージでも活躍できる可能性を持った好投手であった。

 滝川二の先発・友井寛人(2年)はそれほど上背はないが、左足を高々を上げて、真っ向から振り下ろすダイナミックなフォームを投げ込む好投手。常時135キロ~140キロ前後のストレートに加え、曲りが大きいスライダー、フォークを武器にする好投手だが、この日はベルトゾーンに高く浮くボールが多いため中越打線が見逃さず、8回表に関川 怜男(3年)の内野安打と滝川二の守備ミスで同点に追いつかれる。友井は11安打を打たれ降板。それでも3失点にとどめた投球術は見事であった。

 そして8回裏の途中から登板した中越の3番手・雪野 敏和(3年)もなかなかの好投手であった。なんといっても肩関節が柔らかく、ダイナミックなフォームから繰り出す常時135キロ~143キロの直球、120キロ前後のスライダーで勝負する投手。どちらかと直球で押す投手で、8回のピンチを切り抜けると、9回表に登板した滝川二の2番手・塩本 周平(2年)も潜在能力が高く、能力的には友井とひけを取らない逸材で、ゆったりとした足上げから、テイクバックを小さく取り、鋭く腕を振ったフォームから常時135キロ~140キロのストレート、スライダーをテンポよく投げ分ける投手で、友井が打たれても次に任せることができるほどの投手であった。

 その塩本が無失点に抑えると、9回裏、滝川二は一死一、三塁から結城のサヨナラ打で試合終了。滝川二がサヨナラ勝ちで初戦突破を決めた。
 この試合、多くの好選手が揃い、なかなか紹介しきれないが、また別の機会で紹介をしていきたい。

(文=河嶋 宗一


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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