沖縄尚学vs普天間
チーム総安打のうち、半分を集めた5回の集中力が光った沖縄尚学
沖縄尚学打線を苦しめた與那原大剛(普天間)
この日の最速138kmと、長身の普天間・與那原大剛の角度あるストレートに、沖縄尚学打線は苦しめられた。初回、三者凡退に終わると、4回を終えてヒットは安慶名由樹の1本のみ。中々攻略出来なかったが、ワンチャンスが5回にやってくる。
先頭の与那覇廉がエラーで出塁すると、神里廣之介がセンター前へ弾きかえす。その間に与那覇は三塁を陥れチャンスを拡大すると、ここが勝負!とベンチが動いた。4回まで無失点と抑えていた山城悠輔に代えて、知念大河をコール。知念は、期待に十分応えるライト前タイムリーで先制を生み出すと、犠打でニ・三塁とさらにチャンスを拡大。ここで2番松元孝平がライト線への2点タイムリー二塁打を放った。神里から松元までの間、4打者が費やしたのは4球。全員が初球を積極的に打って出た結果がもたらしたビッグイニング。締めは3番内間洸介のライト前タイムリーと、電光石火の4点をボードに刻んだ。
投げては、先発の山城から諸見里俊、屋我流也とリレーし、最小失点で逃げ切り二回戦へコマを進めた。
敗れた普天間。惜しかったのが2回の攻撃で、4番浜畑 維と與那原の連続ヒットで無死一・二塁と攻め立てた場面だったが、気が先に行き過ぎた二走が、沖縄尚学捕手の知念良平に見抜かれ、誘い出されて三遊間で挟殺されてしまった。その後も4回と6回にツーアウトながら満塁とするなど、二桁の10安打を記録し、攻撃力は決して沖縄尚学に劣らないところを見せてくれた。
完投した與那原も8奪三振の力投で、大きく崩れたのは5回のみ。だが、その一瞬(走者の挟殺、野手のエラーからの大量失点、ストライクを取りに行ったところを狙われた連打)こそが明暗を大きく分けるのだということをこの敗戦から学び取って、来る夏へ繋げてくれたらなと願う。
(文=當山 雅通)