仙台育英vs東北学院
仙台育英が13安打と打線爆発
5安打をマークした仙台育英・首藤
桜が満開となり、春爛漫の仙台。12日から宮城県中部地区大会が始まり、宮城にも本格的な球春到来となった。
お花見スポットの榴岡公園の近くにある、今年から[stadium]楽天koboスタジアム宮城[/stadium]に名前が変わった宮城球場では3試合が行われた。
第1試合は仙台育英対東北学院。3回まで、ともに走者を出しながら得点に結びつかず0対0で進んだが、4回、仙台育英が均衡を破った。
この回、先頭の6番佐々木 友希がレフトに二塁打を放つとエラーも絡んで三塁に到達。7番中野 利一主将がライトに犠牲フライを放って先制した。その後、安打と失策で2点を追加。
6回には、この回先頭の中野が左中間二塁打で出塁すると、斎のサードフライを三塁手が落球し、さらにエラーで満塁として2番首藤 大地が2点タイムリーを放った。なおも満塁から4番阿部 涼平が走者一掃の二塁打、打線に火をつけた中野が2点タイムリーを放って一挙、7点を奪った。
7回にも4点を入れた仙台育英は、8本の二塁打を含む13安打を放った。そのうち、5安打は2番の首藤が叩き出したもの。首藤の前後を打つ、1番佐藤 聖也と3番平沢 大河がもう少し機能すれば、打線の厚みが増し、その強さにさらに磨きがかかるだろう。
マウンドに集まる東北学院ナイン
佐々木順一朗監督は、4回と7回、得点した直後の失点に苦言を呈したものの、昨秋に比べると大分、試合慣れしてたくましくなったナインの姿に、少し眼を細める。
「リードしていてもいい気にならない、リードされていても落ち込まなくなった」と佐々木監督。昨秋は、試合経験の乏しさから、宮城県大会こそ制したものの、どこか危なっかしい試合展開が多かった。
それが、3月末の遠征で試合数をこなしたことで、「試合の仕方、試合の運び方を学びました」と中野。また、過去を捨て去ったこともプラスに働いているようだ。
昨秋は東北大会初戦で八戸学院光星(青森)に7対10で敗退。この冬、仙台育英のスコアボードには、この時のランニングスコアが掲げられていた。
悔しさを忘れないためだったが、佐々木監督からは「いい試合をした、という言い訳にしか見えない」と言われ、2月27日に撤去。気持ちを新たにして、春を迎えたのである。
昨秋の東北大会の敗戦を忘れ、遠征でたくましさを身に付けた仙台育英。まだスキも多く、荒削りなところはあるとはいえ、幸先のよいスタートを切った。公式戦は始まったばかり。試合を重ね、ゴツゴツした原石はどこまで磨かれるか楽しみだ。
(文・高橋 昌江)