常葉菊川vs静岡
勝ち越し本塁打を放った常葉菊川3番・遠藤
常葉菊川が大会初優勝 遠藤康平が殊勲弾
春季東海大会は26日、[stadium]霞ヶ浦球場[/stadium]で決勝戦を行った。静岡県勢同士の対決となった一戦は、終盤までもつれたが常葉菊川が凌ぎ、優勝を決めた。
試合は初回、常葉菊川がクリーンナップの3長打で3点を先制した。5回表にも3点を挙げると、先発の背番号10・堀田竜也(3年)が奮投し、走者を幾度も背負いながら9イニングスを投げきった。
常葉菊川に大会初優勝をもたらしたヒーローは3番・遠藤康平(3年)だ。5回表に走者一塁の場面で打席に入り、左翼席へ高校通算12本塁打目となる勝ち越しアーチを放り込んだ。9回表には先頭打者として登場すると、初球を振り抜き、ホームラン性の惜しいファールに。この日2本目の柵越えかと思わせる大きな当たりで客席を沸かせた。しかしこれで力まなかった(一発狙いにならなかった)のはさすがで、忠実にセンター前へ弾き返し4安打目をマークした。手がつけられないほど好調で、シュアなバッティングを披露。くしくも相手ピッチャーの静岡・鈴木亮(3年)は、中学時代に同じクラブチームで汗を流した間柄だといい、“元チームメイト”に完勝した格好だ。
遠藤以外の常葉菊川の面々も、やはりバットが振れていた。たとえば5回表は、遠藤の勝ち越し弾の直後に、4番松木大輔(3年)がライトへ二塁打をかっ飛ばした。一発を浴びて気落ちする相手投手をさらに窮地に追い込む、痛快な一振りだった。このあと7番花堂力斗(3年)のライト前ヒットで松木が生還。結果的に6対5で試合に勝ったことを考えると、この6点目も価値があった。
熱投を見せた静岡先発・鈴木亮
静岡は敗れたものの、大会を通じて収穫は多かった。初戦はセンバツ8強の県岐阜商(岐阜)と対戦し、8対3で勝利。しばらく東海大会で白星を挙げていなかった同校だが、この1勝は壁を乗り越えるきっかけになったに違いない。続く津商(三重)戦では、逸材右腕の水野匡貴(3年)が145キロをマークして完封。県外の代表校を正攻法で突き放した。
この日の決勝戦ではビハインドの展開に立たされながら粘った。5回表に3失点した直後には、先頭打者の滝浪和馬(3年)が二塁打で出塁しすぐさま1点を返した。8回裏には小林怜央(3年)が二塁打でチャンスをつくり、辻本宙夢(2年)がタイムリーヒット。つなぎの意識で点を取り、最後まで食い下がった。
静岡にとっては県大会決勝、東海大会決勝と常葉菊川に連続で敗れたことになる。しかしこの日は水野が登板しておらず、チームとしてもまだ底を見せてはいない。夏も決勝で顔を合わせることが十分予想されるが、そこでどんな戦いを見せてくれるか楽しみだ。
(文=編集部)