松戸六実vs若松
隠れた好投手対決
千葉若松のエース大原翔は昨夏からエースを務める右の本格派右腕だ。以前から彼の素材の良さは耳にしていたものの、今まで一度も見たことがなかった。手足が長く、均整の取れた体格から筋の良さを感じる。
右上手から投じるストレートは力があり、フォームがピタッと嵌った時のストレートは素晴らしい。
この日はストレートの他にカーブ、スライダーで追い込んで、最後は懐を抉り、外角高めのストレートで三振を狙う配球で投球を組み立てた。
始動からフィニッシュまでお尻から先行する下半身主導のフォーム。開きを抑えられ、体の近くで腕を振り下ろすことが出来ており、本格派右腕としての高い将来性を感じさせてくれた。
松戸六実の青木政賢は、1年夏に彼の投球を見た時は、まだスピードははないが、回転の良い直球には将来性を感じさせた。それ以降、この夏まで見ていなかったが、1年夏に比べて大きく成長した投球を見せてくれた。
まず細身だった1年夏と比べると腰回りと太ももが随分と太くなった。ユニフォームのズボンのピチピチぶりが体格面の成長を伺わせた。
正統派の大原と違い、彼はやや癖のあるフォームだ。捻りを入れて、ややインステップ気味に踏み出し、振り下ろす投球フォーム。ステップ幅が狭く、背筋力の強さによって投げる事が出来ている。
威力あるストレート、変化球はスライダー、カーブとのコンビネーションで、低めをしっかりと丹念に投げ分けた。身体の力のありそうで、将来的には常時140キロ前後の計測も期待出来る速球派右腕であった。
大原と青木の投手戦。松戸六実が6,7回に1点を加え、2対0のまま青木が9回を無失点に抑え完封勝利し、投手戦を制した。
(文=編集部:河嶋宗一)