秀岳館vs熊本国府
サヨナラ勝ちの瞬間
秀岳館が延長で今大会屈指の好カードを制す
秀岳館ｖｓ熊本国府という今大会１回戦屈指の好カード。
文字通り壮絶な試合となったが、秀岳館が序盤の４点差を追いつき、延長１０回サヨナラで初戦突破をした。
試合後、ダッグアウトから出てきた秀岳館の久木田拡吉監督は、渋い表情をみせながらも胸をなで下ろすようにこう話した。
「新チーム結成以降、“後半に強いチーム”を合言葉にしてきたので、今日は４点差をひっくり返せたということはよかった」
ただ、先発した期待の１年生エース・北之園隆生が序盤に熊本国府打線に捕まるなど納得できないところもあったようだ。それもそのはず、試合前から「５点は覚悟していた」という５点を序盤の３回までに奪われたからである。
「（北之園は）夏前から試合で使っていましたが、新チームに備えて夏は敢えてベンチを外して完投できるようにと育ててきました。今日はいつもより球の勢いがなかった」（久木田監督）
とはいえ、１年生ながらエースで四番とチームの柱である北之園は、打つ方でチームに勝利をもたらした。４回の同点のきっかけとなる遊撃手後方への安打、さらに延長10回でのサヨナラの中前安打など、ここぞというところで勝負強さをみせ、この試合５打数３安打の猛打賞。
「（４回の）２打席目はつまりましたけど、気持ちで持っていきました。最後のサヨナラ打の時は、打席に入る前に監督さんから思い切って打つことだけを考えろと言われて、落ち着いて打ったつもりですが、無我夢中だったのでどんな球を打ったのかも覚えてないです」（北之園）
強豪のエースで四番という大黒柱でありながら、１年生らしく初々しいコメントを残してくれた。
また、旧チームでも試合経験のある玉本健太、平畑将志、尾高徹平、寺尾有史ら２年生がチームを牽引することを秀岳館首脳陣は期待していただけに４点ビハインドの４回、代打で登場したキャプテン平畑の右中間への２点二塁打、さらに７番・寺尾が右前安打で続き、同点にしたことは、この試合のターニングポイントであったと同時に２年生の牽引力という面でも、チームにとって大きな意味があったに違いない。
まずは第一関門を突破した秀岳館。期待の１年生・北之園を中心にまだまだ歩みは止まらない。
（文＝編集部：アストロ）
