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口元付近をケガしてしまった場合の処置は?

2019.06.28

口元付近をケガしてしまった場合の処置は? | 高校野球ドットコム
歯が折れてしまったり、抜け落ちてしまったら乾燥を防いですぐに歯科医院を受診しよう

 野球ではデッドボールや守備でのイレギュラーバウンドによって、まれに口元付近にボールが当たってケガをすることがあります。頻度は多くありませんが、口元付近にボールが当たる、もしくは転倒などで顔面を強打し、歯が折れたり抜けてしまった場合はどのようにすれば良いでしょうか。

 口元付近のケガ=口腔外傷は単独で起こることは少なく、ほとんどが顔面や頭付近などにも何らかの衝撃を受けています。まずは頭部や頸部、顔面などのケガによって生命を脅かすような状態ではないかということを確認します。優先されるべきは生命の確保です。その安全性を確認した上で口の中(口腔内)の状況を確認していきます。出血はかなり頻繁に見られ、ビックリすることもあると思いますが、口腔内の異物(歯のかけらなど)が残っていないかどうかを確認し、清潔なガーゼを噛ませて止血等、裂傷に対する応急処置を行います。

 歯が折れてしまったり、抜け落ちてしまったりした場合は、できるかぎり残りの歯を持って歯科医院(口腔外科)を受診しましょう。抜け落ちてしまった歯がそのまま元通りに修復できるかどうかは、歯の根元にある「歯根膜」という組織がどのくらい損傷しているかに左右されると言われています。元通りに戻るケースは少ないと言われていますが、まずは残った歯の部分を保護しながらすぐに受診するようにしましょう。このときに心がけるべきポイントは4つです。
1)湿らせた状態で
2)清潔な状態で(ただし磨くようにゴシゴシこするのはNG)
3)急いで
4)歯科医院に持っていく

 時間の経過とともに歯が元に戻る可能性も低くなります。受診時間の目安は30分程度とかなり短いですが、受傷した時点ですぐに対応してもらえるかどうかを、あらかじめ歯科医院に電話で確認をしておきましょう。歯の乾燥予防には生理食塩水、牛乳、スポーツドリンク等いろいろな情報がありますが、乾燥を防ぐためにもすぐ準備できるもので対応しましょう。また成人の場合は口の中に入れた状態にして、唾液で乾燥を防ぐことも一つの方法です。ただしこの場合は歯をうっかり飲み込まないように気をつけましょう。また牛乳よりもより適切なものとしては卵の白身に歯を浸して持参するとよいそうです(実際に歯科医院でアドバイスをいただきました)。グランドで受傷した時にすぐに卵の白身を準備するのはむずかしいと思いますが、こうしたことも覚えておくと役に立つ場合があるでしょう。

文:西村 典子
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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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