「栄冠は君に輝く」 鹿児島の高校生が熱唱
【栄冠を輝くを熱唱した鹿児島の高校生達】
夏の全国高校野球選手権大会の大会歌「栄冠は君に輝く」の公開録音が5月6日、鹿児島市の松陽高校であった。合唱を担当したのが松陽、鶴丸、鹿児島、水俣(熊本)の音楽部員ら121人、演奏を担当したのが松陽の吹奏楽部66人。187人の高校生によるアンサンブルで高校野球の主題歌を奏でた。
例年、この主題歌はプロの歌手に演奏を依頼していた。昨年は、東日本大震災で被災した福島、宮城、岩手の3県の高校生と、阪神淡路大震災時に生まれた兵庫の高校生の演奏を流したところ、評判が良く、今年は西日本からエールを送ろうと、鹿児島と熊本の高校生が担当することになった。
指揮を担当した鹿児島県合唱連盟の片倉淳副理事長は「この歌の歌詞、メロディー、ハーモニーを通して感じ取ったことを表現しよう」とアドバイス。全員がそろってアンサンブルをするのは、この日が初めてだが「水俣の高校生とも何度か一緒に歌ったことがあってので、合わせるのは難しくなかった」(鹿児島・松元梨音部長)と息の合った音楽を作り上げた。
「当たり前に歌えることに感謝しながら歌っていました」と話すのは松陽音楽部の山田晃也部長。演奏が決まってから、高校生たちは、昨年の収録の模様を録画したDVDを見た。家が流されたり、学校や音楽室が被災した同じ合唱仲間たちが歌う姿に感銘を受けた。鶴丸の安藤花音部長は「胸が躍ると同時に、歌わせてもらう責任と使命を感じた」という。「甲子園は高校球児だけでなく、みんなで作っていく大会」ということも実感した。
指揮をした片倉副理事長は「彼らが作りたいと思う音楽を表現してくれた」と絶賛する。「合唱は吹奏楽を、吹奏楽は合唱を、思いやりを持ってお互いにきちんと聞きながら、反応できる力がすごい。一生の思い出になると思う」と話していた。今回収録された演奏は、大会期間中、全試合の五回終了時のグラウンド整備中に甲子園で流す他、甲子園のテレビCMなどでも使用される。
(文:政 純一郎)
【高校野球ドットコム編集部】
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