試合レポート

都立雪谷vs朋優学院

2022.07.14

145キロ右腕だけではない!都立雪谷、1年間かけて強化した打撃を発揮し、5回コールド勝ち!

<第104回全国高校野球選手権東東京大会:都立雪谷12-0朋優学院>◇13日◇2回戦◇大田スタジアム

 今年の都立といえば、注目度の高さで都立雪谷が上位に入る。

 特にエースの渡邊 顕人投手(3年)は最速145キロを誇る本格派右腕。NPBのスカウトから高く注目されている。その都立雪谷が朋優学院との2回戦に臨んだ。

 この日の先発は渡邊ではなく、普段は遊撃手の長谷川大和内野手(3年)。身体能力が高く、体全体を使った投球フォームからキレの良い直球で1回表を無失点で抑えると、1回裏から都立雪谷打線が爆発した。

 1番田口力毅外野手(3年)が鮮やかな右前安打で出塁し、2番吉田一輝内野手(3年)が右越え二塁打で無死二、三塁とすると、3番長谷川の適時二塁打で2点を先制。4番渡邊もつまりながらも適時打、6番山内悠虎外野手(3年)にも適時打が飛び出し、4対0と大きくリード。ここまで6者連続出塁と、打線がつながり、1回裏は最終的に、打者12人の攻めで、7得点を入れる結果となった。その後も打線もつながり、最終的に計9安打12得点を奪った。

 都立雪谷はこの1年、打撃強化に励んできた。逆方向への打球も多かったが、伊達監督の指示ではなく、選手たちが自発的に行ったもの。

 伊達監督は「それまでは私が声をかけることが多かったのですが、ここにきて選手たちの声かけが非常に良いものになっていて、この日も選手たちが意識して逆方向へ心がけていました。私から手離れしていると思います」と自立した選手たちの様子に目を細めていた。

 5回表には、130キロ後半の速球を投げ込む 御園 拓摩投手(2年)が登板。春と比べると、指先にしっかりと力が伝わった直球を投げられるようになり、あっさりと無失点に抑え、勝利に貢献した。御園は強豪・大田水門ボーイズに所属。当時はエースではなかったが、自分たちの考えで練習に取り組める都立雪谷の雰囲気に惹かれ、入学した。練習に取り組む姿勢の良さは伊達監督も認めるほどで、黙々とトレーニングを積んで、レベルアップした。よく動画では阪神で活躍した藤川球児氏の投球を見るという。もちろん火の玉ストレートは憧れているが、合理的な投球フォームを見て、よりフィジカルへの意識が高まったという。柔軟や、体幹トレーニングなど地道なトレーニングにもしっかりと向き合った結果、「春と比べると指先にしっかりと力が伝わったストレートを投げられていて、伸びがあるように感じます」と手応えを感じている。

 御園は5回表を無失点に抑え、12対0の5回コールド勝ちを決めた。3回戦ではシード校の修徳と対決する。昨夏以来の対決で、エース・渡邊ら選手たちは「打倒・修徳」に燃えている。ハイレベルな試合が期待できそうだ。

(取材=河嶋 宗一)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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