沖縄尚学vs沖縄水産
2020年3度目の対決もやはり1点を争う好ゲーム!
好投した沖縄尚学・比嘉佑斗
夏季大会(三年生)は沖縄水産がサヨナラ勝ち。秋季大会(二年生)は沖縄尚学が8対4で快勝。そしてこの一年生大会の初戦でもぶつかった両雄。一勝一敗の2020年最後の対決も、1点を争う緊迫した展開となっていった。
守りが秀でる互角の序盤攻防。切り崩したのは沖縄尚学
沖縄水産の先発比嘉晟那は、クイックモーションとサイドから放るキレの良い球で沖縄尚学打線に的を絞らせない好ピッチングを披露。2回、ヒットとスチールで二塁を許すも併殺で切り抜ける。4回の一死二塁もショートゴロで二走を挟殺するなど2安打無失点とした。一方の沖縄尚学・比嘉佑斗はその上をいく快投。1回、先頭打者にヒットを許したのみで後続打線を4回までノーヒット、外野への飛球も2本に抑えるピッチングを見せた。
試合が動いたのは5回。沖縄水産・比嘉晟那が2打者に四死球(間にワイルドピッチも連発)を与え、制球を乱してしまう。沖縄水産ベンチは二番手の高里勇斗にスイッチするも、9番比嘉佑斗がライト前へ運び先制。さらに1番仲村渠叶夢がスクイズ。これが相手のエラーを誘い三走が生還した。なおも無死二・三塁と、一気に攻め立てられる場面であったがそこはまだ一年生。仲宗根大斗ら上位打者が浅い外野フライに斬られるなど、沖縄水産の守りの前に得点を追加することは出来なかった。
7回3安打無四球ピッチングの沖縄尚学比嘉
5回、6回、7回と沖縄水産打線に二塁を一度踏ませただけの沖縄尚学・比嘉佑斗はここでお役御免の100点満点ピッチング。U-15元代表の仲宗根大斗がかすむような素晴らしい出来であった。
流れが傾きかけたのは8回。変わったばかりの沖縄尚学サウスポー赤嶺大地から、沖縄水産下位打線がチャンスを作って1番知念琉月がスクイズを成功。なおも二死二塁としたが、沖縄尚学三番手の吉山太陽がピンチをものともしない堂々たるピッチング。9回裏も鳩間琉己にヒットを許したが、最後の打者を三振斬り。2年振りの覇者を狙う沖縄尚学比嘉監督も、4安打のみの不甲斐なさに、終始苦虫を嚙み潰したかのようなベンチでの表情であったが、ここ近年では他校を圧倒する9年連続となるベスト8へ進出。なかなか本音を言わない指揮官だが、仲宗根大斗に続く右腕の満点に近い回答は、嬉しかったに違いない。
(取材=當山 雅通)