試合レポート

山村学園vs熊谷商

2019.07.23

厳しい守り合いを制して、山村学園がベスト8に進出決める

 この夏の埼玉大会は、5回戦進出の16校の中で、かつて昭和のそれぞれの時代に県内高校野球で一時代を築いた伝統校がいくつか残って、古くからの高校野球ファンを喜ばせている。しかも上尾熊谷商川越工所沢商と4校が上手に球場もバラけて、どこに足を運ぼうかと迷ったファンも多かったのではないだろうか。

 その一方で、花咲徳栄とともに近年圧倒的な2強を形成していた一角の浦和学院が敗退して姿を消している。その代わりと言っては何だが、まだ甲子園出場は果たしてはいないもののこのところ上位校として食い下がっている山村学園山村国際昌平武南と言ったところが残ってフレッシュさも醸し出していた。

 このカードも平成時代を挟んで昭和の伝統校と令和の躍進校の対戦となった。今年の熊谷商には、練習試合にも、多くのスカウトなども足を運んできていた関口航大君という好投手がいる。ただし、この試合では、山村学園に左が続くということもあってか、左腕の山中君を先発に起用していた。新井茂監督としては、関口君につなぐまでに、何とか少しでも長く持ちこたえてくれればという思いだったであろうか。

 しかし、初回に山村学園は先頭の平野君が中前打すると、バントと中飛で三塁へ進み、4番櫻澤君の中前へのクリーンヒットで先制する。

 5回にも山村学園は3回途中から登場してきた関口君に対して7番坂上君が中前打すると、二死を覚悟で2つのバントで三塁まで進める。そして、それが功を奏したのか、1番平野君の打球は中越二塁打となった。これで2点目が入る。

 熊谷商もやっと1点を返すものの、8回には平野君、和田君の二塁打2本などで2点を追加して突き放す。しかも、大事なところで失策も絡んでしまい、試合の流れとしても悪い方向に行ったものを修正しきれなかった。

(文=手束 仁

2019年 第101回全国高等学校野球選手権大会埼玉大会
■開催期間:2019年7月10~7月28日(予定)
■組み合わせ表【2019年 第101回全国高等学校野球選手権大会埼玉大会】
■展望コラム【今年の埼玉は大混戦!シード校の戦力とシードを脅かすノーシードを徹底紹介!】

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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