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今年の埼玉は大混戦!シード校の戦力とシードを脅かすノーシードを徹底紹介!

2019.06.22

 7月10日から開幕する第101回埼玉大会の組み合わせが決まった。今大会は飛び抜けた学校がなく、混戦模様の戦いとなりそうで、早くも波乱が起きるかもしれない。

 そんな埼玉大会の見所を紹介したい。

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第101回 全国高等学校野球選手権 埼玉大会

春日部共栄、花咲徳栄の課題は?

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チームの柱・村田賢一(春日部共栄)

 まず二季連続優勝の春日部共栄は、所沢と対戦。今年はエース・村田のチーム。打力も優れ、投げては140キロ超のストレートと切れのある高速スライダーを武器にする本格派で、完投能力も高い。打線も、俊足でパンチ力も出てきた核弾頭・黒川渓、勝負強さが出てきた強打の捕手・石崎聖太郎、高い打撃技術を見せる平尾 柊翔と打力が高い。ただ気になるのは投手起用。春季県大会、関東大会でも村田中心の運用になってしまい、ぶっつけ本番で、村田以外の投手を見出さないといけない状況となってしまった。二季連続優勝して一歩リードしているように見えるが、ダントツの優勝候補として推せないのはその点である。今年のチーム状況を見ると、大会序盤は打力で圧倒する試合展開で勝ち上がっていきたい。

 同ブロックでは、栄北が怖い存在か。攻守の中心・武井直輝、粘っこい投球を見せる野口悠也で最小失点で凌いでいき、打力で勝ち上がっていく。

 秋ベスト16の埼玉松山は130キロ前半の速球を投げ込む左腕・吉田健留に注目。飛び抜けた実力校はなく、混戦模様となりそうだ。

強打が自慢の聖望学園は昨夏準優勝の川口と対戦。聖望学園は4番・堀田 俊輔とした強力打線がウリ。突出した実力を持つ投手はいないが、継投策で逃げ切る戦略で上位を目指す。

 今春ベスト8ながら、選手層の厚さは県内トップクラスの昌平越谷南と対戦する。最速143キロ左腕・米山 魁乙、高校通算20本塁打以上のスラッガー・渡邉 翔大、右のスラッガー・吉野 哲平とタレント揃い。夏へ向けて、米山以外の投手が台頭が課題となる。

 また、大会5連覇を狙う花咲徳栄杉戸農と対戦する。花咲徳栄は全国トップクラスのショート・韮沢 雄也、高校2年世代でもトップクラスのスラッガー・井上 朋也、強肩捕手・菅原謙伸など本塁打を打てる打者が多く揃い、対応力も高く、打線レベルは全国トップクラス。課題は投手陣。今年は絶対的なエースはおらず、継投策で勝ち上がることになりそうだ。

 同ブロックには川越初雁は、エースで4番、主将も務める齋藤眞之丞は最速137キロを誇る本格派右腕だ。

 Cシードの所沢商狭山経済と対戦。粘っこい試合運びを見せ、センス抜群の動きを見せる下田 啓詞は昨年より進化した姿を見せることができるか。

 浦和学院を破り、シードを獲得した叡明はこれまでポテンシャルが高い選手が多いイメージがあるが、今年はどちらかというと小粒で組織力の高さで勝負するチーム。浦和学院相手に好投を見せた技巧派右腕・滝口仁理は今大会でも活躍を見せるか。ただ相手の越ヶ谷は怖いチームだ。春季大会では聖望学園に敗れたが、返した1点は本塁打。選手のメカニズムを見ると、フライボール革命を実践しているようなスイングをしていて、うまくスイング軌道に合うと本塁打を量産するチームである。その予感が本物となれば、ダークホースとなりそうだ。また同ブロックには、西武文理白岡など実力校も同ブロックで、混戦のブロックとなりそうだ。

 また、大会屈指の好投手・飯島一徹擁する東農大三は、本庄東と対戦する好カードとなった。同ブロックでは、強力打線を誇る山村国際に注目。上位打線を中心に本塁打を打てる打者が名を連ね、要注意のチーム。東農大三は飯島が春に見せた高クオリティな投球を見せ、また飯島以外の投手陣の台頭が激戦の埼玉を勝ち抜くポイントとなる。

[page_break:浦和実は浦和学院、山村学園は立教新座と同ブロックと厳しいブロックに!]

浦和実は浦和学院、山村学園は立教新座と同ブロックと厳しいブロックに!

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この春、急成長を見せた2年生右腕・豆田泰志(浦和実業)

 二季連続優勝の浦和実業は本庄と対戦。この春、急成長を見せた2年生右腕・豆田泰志、140キロ近い速球を投げ込む三田隼輔、強肩強打の捕手・竹内琉生、関東大会で本塁打を放ち、さらに強肩を見せる大型外野手・水谷 優希と投打ともに戦力十分。

 2年連続の甲子園出場を狙う浦和学院はノーシード。初戦では盈進東野と対戦。浦和実業ブロックに入った。昨夏の甲子園経験者である畑敦巳中前祐也を中心に野手陣がどんな相手にも4,5点は叩き出せる攻撃力を身につけることができるか。投手陣では140キロを超える速球を投げ込む美又王寿を中心に粒ぞろいだけに、投打で噛み合えば、優勝候補に上がってくる存在であることは間違いない。

 また、Cシードで、つなぎの野球で着々と得点を重ねる野球を得意とする市立川越は実力校・武蔵越生と対戦。武蔵越生は2015年、東京成徳大深谷を春4強に導いた泉名監督により実力をつけており、初戦からハイレベルな戦いが期待できそうだ。上尾は突出した実力を持った選手はいないものの、試合運びは上手く、今年も上位進出が期待できそう。初戦は慶應志木と対戦。

 同ブロックで怖いのは、川越東。好右腕・宮崎元気、強打者・浪江 麟太郎と投打の柱が揃っており、春では怪我もあり、戦力が整わなかったところがあったが、万全の状態で入れば、この夏も上位進出が期待できるだろう。二季連続でベスト8の埼玉栄はスラッガー・和田康平、大型遊撃手・北口恭輔を中心とした打線の破壊力は県内上位。投手陣は突出した実力を持つ投手はいないが、いずれも130キロ前半を投げられる投手が多く、夏でも継投策で勝負することになりそうだ。甲子園出場へ向け、投手力アップが課題となる。

 また140キロ超の速球を投げ込む島村大樹擁する大宮東は好遊撃手・内堀堅介がチームを引っ張る南稜と対戦。この試合も好ゲームが期待できそうだ。

 春8強の西武台は新鋭・浦和麗明と対戦。好左腕・神山惟玖は引き続き、チームを勝利に導く好投を見せることができるか。同ブロックでは強打に磨きをかけた獨協埼玉に注目だ。また、140キロ近い速球を投げ込む好左腕・中島斗唯擁する川口市立は、熊谷と対戦。同ブロックで注目したいのは、スラッガー・木下遥斗がチームを引っ張る春日部東だ。

 春県大会3位から関東大会ベスト4まで勝ち上がった山村学園は、蓮田松韻と対戦する。エース・和田朋也伊織丈一郎、1年生の小泉裕貴、左腕・河部直樹と投手陣の顔ぶれは充実。打線もプロ注目の強打の捕手・橋本大樹、強打の三塁手・小林匠を中心とした打線も強力。投手陣の運用が上手く機能し、春の関東大会で見せた粘り強い戦いを見せれば、初の聖地も見えてくるかもしれない。

 同ブロックは秋ベスト4の立教新座が構えている。そしてこの春から評価をあげた143キロ右腕・関口航太擁する熊谷商入間向陽と対戦する。山村学園と同ブロックで、関口の負担をなるべく小さくして、勝ち進むことが大事となるだろう。

文=河嶋 宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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