試合レポート

立教池袋vs区立九段中等教育

2017.07.08

立教池袋・小幡、8回被安打1の零封!緊張の開幕戦を制する

「野球の神様に愛されるように全力で戦うことをここに誓います」

 注目の清宮 幸太郎主将(早稲田実業)の選手宣誓、小池百合子都知事の始球式と、例年以上に華やかな雰囲気の中で、甲子園を目指しての、東京の戦いが始まった。

 開幕戦は、ノーシードながら好投手・小幡 圭輔を擁し実力のある立教池袋区立九段中等教育が挑んだ一戦になった。

 開幕戦の独特の雰囲気の中、両チームとも動きは硬かったが、幾多の経験を積んでいる立教池袋の小幡は、1回表を三者凡退で切り抜ける。

 一方、区立九段中等教育のエース・川上 龍太郎は、開幕戦の緊張感に加え、プロ仕様で固められた[stadium]明治神宮野球場[/stadium]のマウンドに苦しみ、制球が定まらない。立教池袋は1回裏3個の四球などで一死満塁とし、4番・浅沼 聡太の左飛は、左翼手が捕らない打球ではないように思えたが、左前安打となり、1点を先制。それでも、続く小幡の二遊間の当たりを区立九段中等教育鳴坂 亮がうまくさばいて併殺とし、1失点で切り抜ける。

 ところが区立九段中等教育の川上は、2回裏も2四球に犠飛などで1点を失う。それでも川上は、最速が130キロを超え、荒れ球もあって、傷口を大きくしない投球をしていたが、4回裏も3四球で無死満塁とし、立教池袋の2番・伊東 良起の中犠飛で1点。さらに4番・山根 祥吾の遊ゴロを、1回裏に好守をみせた鳴坂が一塁に暴投し、2人が還った。
その後も四球を2個与えたところで、川上は降板。川上は3回2/3を投げて、1安打しか打たれていないが、11個も四球を与えたことが痛かった。


 一方、立教池袋の小幡は130キロ台後半のストレートに縦横のスライダーなどを効果的に使い、4回まで被安打1、奪三振7の無失点。5点をリードした後はリラックスした投球になり、三振の数は減ったが、危なげのない投球。

 ピンチらしいピンチは、8回表、この回先頭の5番・岡部 寛大を四球で出し、牽制が暴投になり、無死二塁となった場面くらいだ。小幡は一死後、7番・及川 浩輝への5球目が暴投になり、二塁走者の岡部は一気に本塁を突いたが、ベースカバーに入った小幡にタッチされ、アウトになった。区立九段中等教育の岡部は暴走気味ではあったが、何点リードされても、1点でも返そうという果敢なプレーは好感が持てた。

 立教池袋は、区立九段中等教育の2番手、1年生の篠崎 央から5回裏に1点、7回裏もエースで主将の小幡が右前適時打を放ち1点を入れ、8回コールドが成立した。

 区立九段中等教育は開幕戦の緊張があったとはいえ、2人の投手が、8回で15四死球を記録したことが、大きく響いた。それでも、都立九段の伝統を受け継ぐ名門校らしく、白を基調としたユニホームの溌剌としたプレーは、夏の蒸し暑さの中にあって、さわやかな印象を残した。1,2年生の多いチームだけに、今後の健闘を期待したい。

 勝った立教池袋の次の相手は、都立文京。ここには佐山 智務という好投手がいる。エース・小幡との投げ合いは、大会前半の注目の一戦だ。

(文=大島 裕史)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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