都立城東vs東京

　夏の太陽が照りつける中始まった[stadium]江戸川区球場[/stadium]の第1試合は、昨年ベスト8（試合レポート）の東京と都立の強豪・都立城東の一戦。

　立ち上がり東京は、都立城東の先発、背番号19の2年生・石田 翔太を攻め、1回裏四球の2番駒形 健人が、3番甲野 一成の一塁手の横を鋭く破る二塁打で還り1点先取。2回も押し出しで1点を加えた。

　ところが3回表、東京はほぼ自滅に近い形で、4点を失う。東京の先発は3回戦で完投した笠木 一志。このチームには、吉田 陸という昨夏のベスト8を経験したエースがいるが、なかなか登板しない。
3回表、2つの四死球が出たところで、笠木に代わり登板したのは、背番号10の1年生・小池 大介。小池は一死一、二塁の場面で、都立城東の5番木曽 太賀に中前安打を打たれ、1点を失う。さらに四球、三塁手の失策、四球、四球で押し出しが続き、この回都立城東は4点を挙げ、逆転する。

　5回表も都立城東は2者連続の四球で無死一、二塁。ここで東京の投手は背番号14の3年生・新保 塁哉に代わったものの、また四球で満塁。代打小松 知弘の犠飛で1点。さらに1番野村 鉄馬には頭部への死球出し、2番毛利 乾太郎の右前安打で2人が還り勝負は決した。結局5回表も都立城東は5点。6回に2点、7回に1点が入り、コールドゲームが成立した。

　東京にとって最後の守りとなった7回表二死から、東京はエース・吉田を投入。実績のある投手が、この段階でしか投げないということは、どこか悪いのだろう。暴投もあったが、打者1人を左飛に打ち取り、万感の思いでマウンドを下りた。

　この日の試合は、東京が自滅した形に近いが、都立城東は攻撃に迫力がある。この日3番手として登板したエースの佐藤 諒の球にも力がある。仕上がりは順調なようだが、これからが正念場だ。

　一方エースに何らかの故障があったと思われる東京は無念の思いがあるだろう。それでも今の3年生は、1年生の夏は対外試合禁止になっており大会に出場できず、2年生の夏はベスト8と旋風を起こした。そして最後の夏は4回戦で敗れたことに悔いはあるかもしれない。しかし起伏の激しい3年間の野球部での活動は、選手個人にとっても、東京野球部にとっても、大きな財産になるはずだ。

（文＝大島裕史）

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