試合レポート

岩倉vs都立板橋

2014.07.13

岩倉、8回に逆転の3ラン!都立板橋の左腕エース飯田の力投実らず

 昨年の夏もそうだった。
実力校相手に、ギリギリまで追いつめる。それが都立板橋の強さだった。

 昨年の東東京大会では、3回戦で二松学舎大附と対戦(2013年07月15日)。この試合でも都立板橋は先制点を奪い、その後も粘りの野球で二松学舎大附を点差以上に苦しめていた。

 この試合で完投した左腕エース・飯田 匠は、当時2年生。
この夏もまたエースナンバーを背負って、マウンドに上がった。去年よりも、長い夏にしたかった。

 都立板橋岩倉との一戦。
先制のチャンスは、都立板橋に訪れる。
3回表、先頭の7番飯田がサードゴロ。しかし、送球がやや高めに浮いて、ファーストの足が一瞬ベースを離れた間に、飯田が駆け抜けセーフ。
送りバントは失敗するも、9番鈴木斗輝哉(1年)がライト前ヒットで続き、さらに1番佐藤謙輔(3年)も内野安打で、一死満塁とチャンスを広げる。
さらに、3番中山真吾(3年)の打席で、岩倉の先発・宮﨑隆司(3年)の2球目が暴投となって、ボールが後逸する間に、三走の飯田が先制のホームイン。

 しかし、岩倉は、すぐさま点を取り返す。
一死から、1番蔵田怜央(3年)が二塁打を放ちチャンスメイク。さらに、4番工藤孝史(3年)の中前適時打で、同点とする。


 4回以降は、両校ともに無得点のまま進むが、6回、都立板橋が大技小技で畳み掛ける。
先頭の3番中山がライトへのヒットを放つと、これが相手守備のエラーを誘って、一気に三塁まで到達。
さらに4番金宗英地(3年)がフェンス直撃となる中越二塁打を放って、中山が勝ち越しのホームイン。
5番川野拓斗(3年)は空振り三振に倒れるも、その間に、金宗が攻めの走塁で三盗を成功させる。
二死三塁から、6番松本 将(2年)がきっちりセーフティーバントを決め、3点目を追加。

 
一方で、岩倉は、6回、7回と二死からヒットでランナーを出すも、都立板橋の飯田の前に、あと一本が出ない。
 それでも、8回。ようやく岩倉打線が目を覚ました。
まず、先頭の2番中村鳳生(2年)が右前打で出塁すると、3番森山恵介(3年)も左前打で続き、ランナー2人を置いたところで、4番工藤。

 初球だった。
工藤の力強い一振りに打球は、ぐんぐん伸びていき、そのままレフトスタンドへ。
これが3ラン本塁打となり、岩倉は土壇場で逆転に成功する。
さらに、二死を取られたあとも、7番藤田隼斗(2年)、8番宮﨑の連打に、9番磯口武志(2年)が死球で出塁し、満塁に。ここで1番蔵田が貴重な追加点をあげる適時打を放って、5対3とリードを広げる。

 9回表、都立板橋は2点を追いかける展開となったが、岩倉のエース宮﨑が最後は三者凡退で締めてゲームセット。
3回戦に駒を進めたのは、逆転3ランで試合を決めた岩倉だった。
都立板橋は2点のリードを守りきれず、あと一歩のところで、白星を掴みきれなかった。
それでも、最後まで力投をみせた飯田、そして岩倉を追いつめた都立板橋の強さは今年も健在だった。

(文=安田未由

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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