樟南vs国分
緊急登板にも関わらず好投する川畑(樟南)
自信をつけたロングリリーフ・樟南・川畑
シード樟南は苦しみながらも、ベスト8進出を決めた。中でも4回裏から緊急登板した背番号10の右腕・川畑勇気(2年)の粘りのロングリリーフは、チームにとっても大きな収穫だった。
4回表の攻撃でエース山下敦大(2年)がスイングした際に、ボールを左手に当てて負傷。その裏の守備に入る前に、しばらく時間をとって手当てをしたが、指の痛みが引かず続投が困難になった。山之口和也監督は185センチの右腕に後を託した。
鹿児島中央戦の終盤2イニングを投げるなど、短いリリーフ経験はあるが、公式戦でのロングリリーフは初めて。練習試合では、いろんな状況でのマウンドを経験しているが、想定外の出来事に「正直緊張しました」と振り返る。それでも5回を1失点で切り抜け、打撃でも4点目のタイムリーを放つなど、投打でチームの勝利に貢献した。
持ち味は長身から投げ下ろす角度のある直球。これが低めに決まれば、そう打たれることはないが、制球力が課題だった。5回には、簡単に二死をとってから2四球とヒットで満塁と、一打逆転のピンチを背負った。自分の課題は熟知しており、夏から取り組んでいたのは「悪いなりにも抑えること。最後は細かいことは考えず力で抑える」ことだった。このピンチの場面では、相手の4番を直球勝負で二ゴロに打ち取った。「自分の直球が通用することが分かって自信になった」と力強く振り返った。
(文=政 純一郎)