試合レポート

関西学院vs報徳学園

2009.07.25

2009年07月26日 姫路球場

関西学院vs報徳学園

2009年夏の大会 第91回兵庫大会 5回戦

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歴史的勝利に笑顔(関西学院)

伝統校・関学の意地、報徳の連覇を阻止!

1915年第1回大会から参加し、優勝6回の関西学院(カンセイガクイン)=関学と3季連続の甲子園出場をめざす報徳学園は、いずれも甲子園球場がある西宮市内にあり、校舎もすぐ近く。
お互い切磋琢磨してきた両校ですが、夏の兵庫大会で関学は、報徳学園の前身・報徳商業時代に2度勝っているものの、報徳学園に校名変更してからは7度対戦し、これまで1度も勝ったことがありません。特に、25回大会以来の優勝をめざして挑んだ一昨年の準決勝で、報徳に1対8の完敗。
関学ナインにとっては「報徳を倒さずして、甲子園への道はなし」という強い想いが、初回から爆発します。

関学は1回裏、2番・久保が報徳のサウスポーエース宮谷から四球を選び出塁すると、3番・山﨑 裕貴(ヒロキ)がレフト前ヒットでつなぎます。そして2アウト後、久保と山﨑がダブルスティールを成功させてランナー2・3塁とし、5番・黒木がレフトオーバーのタイムリー2ベース。いきなり2点を先制します。さらに6番・木下も、センターオーバーのタイムリー2ベースを放ち3点目。関学が、初回に3対0とリードを奪います。

しかし、選抜甲子園ベスト4の報徳もすぐに反撃。5番・宮本が、関学の先発・エース新川から右中間にソロホームランを放って1点を返したあと、6番・平本のレフト前ヒットと送りバントで、ランナーを2塁に進めます。そして8番・八代がライト線にタイムリー2ベース。3対2と追い上げられた関学の広岡監督は、早くも2回でエース・新川を諦め、キャッチャーの山崎 裕貴(ヒロキ)にリリーフを任せますが、2アウト1・2塁から2番・野島が、レフトオーバーのタイムリー。3対3の同点に追いつかれます。

さらに、このヒットで9番・宮谷も1塁から一機にホームを狙いましたが、関学のレフト梅本~ショート窪~キャッチャー中塚への中継プレーが見事に決まり、バックホーム・タッチアウト。関学も堅い守りで、報徳に逆転を許しません。

ここをしのいだ関学は3回、サードゴロ1塁悪送球で出塁した3番・山﨑裕貴を送りバントで2塁へ。ここで報徳のエース宮谷が、ワイルドピッチ。1アウト3塁から5番・黒木が、1塁線にスクイズを決めて、関学が再び4対3とリードします。
さらに4回、この試合4打数3安打とあたっていた7番・山崎 純意(マサオキ)が、レフト前ヒットで出塁し、送りバントと9番・中塚のレフト前ヒットで1アウト1・3塁。このピンチに報徳の永田監督も、ファースト宮本を2番手ピッチャーとしてマウンドにあげる継投策で、関学の1番・梅本と勝負しますが、ライトへの犠牲フライ。関学が5対3とリードを広げます。

報徳も、7回に1番・辻が2ベースでチャンスを作り、2アウト2塁から3番・籾山のレフト前タイムリーで、5対4と追い上げますが、関学の2番手・山﨑 裕貴は、報徳の7・8回の攻撃をいずれも3社凡退に抑え、5対3でゲームセット。夏の兵庫大会で初めて報徳学園を破った関西学院が、2年ぶりのベスト8進出。報徳学園の3季連続甲子園出場を阻止した関学は、70年ぶり7回目の優勝をめざし、準々決勝で神戸弘陵と対戦します。

【 関西学院高等部・広岡 正信監督 】
これまで夏の大会で1度も勝てなかった報徳学園を破ったことは、関学・高等部の硬式野球部にとって歴史的な快挙なので、とても嬉しいです。この勝利を活かして、優勝できるように頑張ります。

【 選抜甲子園で活躍した報徳学園・平本 龍太郎捕手 】
9安打を打たれた関学打線については、相手のバッターが上手かったと思います。高校卒業後は、関東の大学に進学し、野球を続けて行きます。これまで高校野球で培ったことを、これからの人生に活かしていきたいです。

(文=田村正浩)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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