試合レポート

川越東vs聖望学園

2010.07.17

2010年07月17日 大宮公園球場

川越東vs聖望学園

2010年夏の大会 第92回埼玉大会 3回戦

一覧へ戻る

(聖望学園)

勝利を生んだやるべきことの積み重ね

7月17日。埼玉大会3回戦屈指の好カード。前年優勝ながらノーシードの聖望学園
春季大会ベスト4の川越東の対戦。午後2時12分、[stadium]埼玉県大宮公園球場[/stadium]で試合開始。

聖望学園の先発は2年生エースの瀧瀬。一方の川越東は今大会注目の左腕高梨の先発。
先手を取ったのは川越東。

1回表、先頭の猿田が2球目を三塁左を破るヒットで出塁。2番永井が送り1死二塁。
動揺した瀧瀬が3番城下に死球を与え、一・二塁とチャンスが広がる。
4番高梨はセンターへ大きな当たりで2死。5番鈴木がカウント2-2から甘く入った
速球をライトへ先制のタイムリーで1点。続く6番石塚もライト前に連続タイムリーで2点目。
立ち上がり制球に苦しむ瀧瀬を捉えた川越東打線。

その裏、聖望学園もすかさず反撃。1番奥村がレフト前ヒットで出塁。2番永田の送りバントは投手正面。
投手高梨の好判断で二塁封殺。続く3番片岡が三振の間に一塁走者永田が盗塁。捕手の送球が高くそれたのを見た
永田は判断良く三塁へ。更にバックアップしたセンターもハンブルするダブルエラー。
走者は一挙にホームへ。1点を返す。3番片桐が死球でなおも2死1塁で、5番長友の打球は快音を残したが、
ショート正面のライナーで反撃も1点止まり。

2回表川越東の攻撃、この回先頭の8番山田が三塁線を鋭く破る二塁打。

ここで試合を決めた(聖望学園・岡本監督)のシーン。
9番土肥が初球を送りバント。これが一塁側への小フライ。
一塁と投手がお見合い、慌てた投手が掴むが間に合わず。無死一・三塁とチャンスが広がる。
飛び込めば捕れると思われたの内野安打。聖望ベンチには悔やまれる。
気落ちした瀧瀬、1番はレフトフライに押さえ1死は取ったが、続く2番の当たりは二塁右のゴロ、二塁が飛びついたが、
一塁への送球がそれ1点追加。更に3番にレフト前にタイムリーを浴び2点目。

たまらず聖望学園ベンチは2年生の左腕松橋をリリーフに送る。4番をセンターフライに抑えたが、この回2点を奪われ、
4-1と川越東が主導権握った。

3回から走者は出すが両投手共踏ん張り試合は後半に。

2回以降無失点と好投し、見方の反撃を待った聖望学園松橋が6回に掴まった。
8番山田がセンター前ヒット。9番の時にヒットエンドランを敢行したが三塁ゴロで一死二塁。
1番センターフライで2死まで抑えたが、3番にセンター前に運ばれ試合を決める1点を失う。

7回も川越東の勢いは続き、聖望学園3人目の野田から、5番が四球、6番がレフト前と続き、更にリリーフ
した斉藤(大)からも四球を選び無死満塁。ここでスクイズを決め決定的な7点目。
8回も小刻みに投手を代え防戦一方の聖望学園に対し、2本のヒットと四球の満塁から、連続四球の
押出しで更に2点。8-1と大差をつけた。

8回聖望学園も意地を見せ、コールド負けを防ぐ最後の攻撃で1点を返したが、後続を絶たれ
8-2で完敗した。

屈指のカードと言われたが、実力差は歴然。2年生バッテリーの聖望学園は制球を乱した投手を3年生が
支えられず、むしろ足を引っ張る形となり惨敗。2回で7安打を浴び4点を献上した聖望学園のエースは、
走者を気にする余り再三牽制を繰り返し、自分のリズムだけで無く、
灼熱のグランドでの長い守備時間に、味方のリズムまでを崩してしまった。

川越東、17名、聖望、20名と両チームで37人を送り込む、2時間50分の総力戦も終わって見れば
大差のゲームとなった。

(文=滝島 利夫


[:addclips]

[:report_ad]

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.31

【鹿児島NHK選抜大会】鹿児島実がコールド勝ち!川内商工は終盤に力尽きる

2024.05.31

夏の愛知大会は6月28日から開幕!決勝戦は7月28日【愛知大会要項】

2024.05.31

【鹿児島NHK選抜大会】鹿屋農が"強気の勝負"で勝機を引き寄せ4強入り

2024.05.31

【北信越】富山県勢4校が12年ぶりの県勢V狙う、茨木擁する帝京長岡にも注目<地区大会>

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.26

【近畿大会注目チーム紹介】実力派監督就任で進化した奈良の名門・天理。超高校級の逸材3人を擁し、緻密な攻守で全国クラスのチームに!

2024.05.26

【春季関東大会】白鷗大足利が初優勝!最後はタイブレークの末サヨナラ死球で幕切れ!

2024.05.26

【近畿大会注目チーム紹介】エース頼み脱却を目指してきた京都国際。「素質はプロ入り左腕と同等」の2年生左腕の台頭と打線強化で京都の大本命に成長!

2024.05.28

交流戦開幕、初戦の注目は髙橋宏斗vs.今井達也の初対決!

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉